窓ガラスが外れたまま離陸した飛行機 「聴覚を損なうほどの騒音」で慌てて引き返す

2枚の窓ガラスが外れた状態で、離陸してしまった飛行機。乗客と乗務員が、機内の騒がしさと寒さに気づくも…。

2023/11/22 06:30

飛行機・座席

イギリスにあるロンドン・スタンステッド空港発の飛行機が、窓ガラスの一部が外れたまま離陸し、その事実に気づかないまましばらくフライトを続けていたという。

『USA Today』『CNN』などの海外メディアが報じた。



 

■すさまじい騒音で発覚

イギリスの航空事故調査局が今月発表した報告によると、10月にロンドン・スタンステッド空港を出発し、オーランド国際空港に向かうはずだった便が、トラブルによって引き返しを余儀なくされた。

関係者らの報告によると、乗客数名が「いつもより騒がしい」「寒い」と感じていたと述べたそうだ。

飛行機が上空1万フィート(約3,050メートル)まで上昇すると、客室にいた乗務員は騒音が大きくなっていることに気づき、「聴覚を損なうほどの音量」になっていたという。

また乗務員は、窓用のシールが風によってはためいているのを見つけ、本来そこにあるべき窓ガラスが外れているのを目撃したという。


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■出発した空港にとんぼ返り

機内の与圧は正常範囲内だったが、パイロットはロンドン・スタンステッド空港に戻ることが安全だと考え、乗客に必要に応じて酸素マスクを使うよう指示し、そのまま30分強を飛行して空港へと引き返した。

着陸後の調査では窓ガラス2枚が紛失し、もう1枚が所定の位置にないことが判明し、その原因が前日に行った映画の撮影にあることが判明した。


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■ライトの熱でガラスの周囲が…

撮影では日の出を再現するために強力なライトが使用されており、4時間以上にわたって機体の両側が照らされていたという。当局はそのライトの熱により窓の周囲の発泡材が溶け、1枚は歪んで縮んだとみている。

また報告書は「使用される照明の特性と、将来このリスクをどのように管理できるかを完全に理解するために、航空機メーカーと運航者との作業が進行中です」と述べている。

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(文/Sirabee 編集部・びやじま

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