「ミラノ風ドリア」→○「讃岐風うどん」→× 「風」ってナンだ?
イケメン風俳優/ハイパーメディアフリーターの黒田勇樹です。昔は美少年と呼ばれていた時期もありました。
このコラムは、子供の頃から芸能の世界で台本や台詞に触れ続け、今なお脚本家やライターとして「言葉」と向かい合っている筆者の視点から、様々な「言葉の成り立ち」について好き勝手に調べる「妄想的」な語源しらべぇです。
■「讃岐“風”うどん」とは言わない
この連載を始めてから、ミラノ風ドリアを見ても「どの辺が“ミラノ”なんだろう?」よりも、「“風”ってどういう意味だろう?」と考えるようになってしまいました。これが噂の職業病なのでしょうか?
お好み焼きにも、大阪“風”と広島“風”がありますが、うどんは讃岐です。“風”が、つきません。醤油ラーメンのことを「東京“風”ラーメン」とんこつラーメンを「九州“風”ラーメン」とは、呼びません。
建築物や音楽になると、他にも”的”だったり”調”だったり“雰囲気”が“ぽい”ことを表す言葉は多くありますが、料理に限っては「洋風」「和風」「中華風」と、“風”が、一大旋風を巻き起こしています。
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■“風”は、どんなときに使うのが正しい?
辞書には「名詞の下に付いて、それに類する、その趣がある、などの意を添える」とあります。
更に、料理に使われる場合は名詞の部分が地名になってくることが多いようです。
讃岐うどんには確固なる製法の決まりがあります。これが“風”をつけずに堂々と“地名+料理名”と名乗れる裏付けかもしれません。ニューヨークチーズケーキも同じ部類でしょう。
建物や音楽も、前提とするルールが多いため、“調”、“的”のような、「限定」寄りの表現が使われています。そう考えると、”風”が付く料理には大きな特徴があります。
作る人間も、使っている材料もすべて渡来先のもの。つまり伝え聞いたものを雰囲気頼みで作っている。
まさに、”風”に乗ってやってきたからこその“風”なのではないでしょうか? 今後生活の中で見かけた風に注目してみてはいかがでしょう。
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(文/ハイパーメディアフリーター・黒田勇樹)