写真を撮ってと言われて…日本人留学生がドイツでスリ被害

2017/04/15 16:30


海外旅行に付き物なのが「スリ」の危険性。「自分は絶対巻き込まれないぞ!」と意気込んでも、「自分が遭うはずない」と心のどこかで思っていると被害に遭うことにも。

世界でも治安のいい日本ではその危険性が少なく、耐性がないために日本人が海外でスリに遭う確率は高い。スリに遭った時どうするべきか、そして巻き込まれないための対象は何か。

今回、しらべぇ編集部では、実際にドイツでスリ被害にあった一人の日本人留学生を取材した。



 

■「写真を撮ってください」と言われた元日の出来事

井上国篤(いのうえくにあつ)さんは信州大学の3年生。現在、ポーランドのワルシャワ大学に交換留学生として一年間在学している。今年の年末年始、友人と共に3人でドイツのベルリンに観光で訪れていた。

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(写真提供:井上さん 一番左端、ベルリン大聖堂前、スリにあう直前の写真)

――いつ、どこでスリに遭いましたか? 状況を教えてください。

今年、2017年の1月1日にベルリン大聖堂の前で被害に遭いました。ベルリン大聖堂の前には広場があります。友人2人が大聖堂内を見てくるということで、僕は友人達の荷物も含めて3人分の荷物を床に置いて待っていました。

暇なので、自分の鞄から手帳を取り出して日記を書いていたのですが、日本人ではないアジア人に「写真を撮ってくれないか」と頼まれました。その時、荷物から10mぐらい離れたのですが、確認した時には確かに荷物はありました。

そのアジア人と少し話し込んでいたら、立て続けに北欧出身らしいカップルに同じように、写真撮影を頼まれました。撮影を終えて、荷物場所まで戻ると、僕の荷物だけがありませんでした。

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(ベルリン大聖堂広場の様子)

――スリに遭った時点での、井上さんの所持品は?

ポケットに入れていた財布とスマートフォンだけです。パスポートやカメラ、服などすべて鞄に入れていたので。


――その後、どのような対応をとりましたか?

友人がSkypeの電話番号を持っていたので、その番号を借りてベルリンの日本大使館に連絡をしました。ここで困ったのが、そのベルリン日本大使館に「1月4日以降まで、大使館が開かない」と言われたことです。

この時点で、1月4日まで帰れないことが明確になったのですが、大使館に「やれることはやれ」と言われたので、とりあえずできる限りのことをしました。


――できることとは、具体的になんですか?

後で保険会社に損害補償を請求する時に必要になるので、警察で盗難届けをもらいます。ここでも困ったのが、元日の警察は非常に忙しかったようで、届けをもらうのにとても時間がかかりました。

なんとか届けをもらった後、僕の場合、パスポートの再発行に戸籍謄本がいると大使館に言われたので、家族に連絡をとりました。

そして同じくパスポート申請に必要な写真を近くのスーパーで撮影し、170ユーロ(およそ2万円)を用意しました。あとは1月4 日まで、ベルリンでひたすら待つことになりました。


――1月4日、大使館で手続きはスムーズに行きましたか?

やっとの思いで、大使館に行くと「パスポート発行に一週間かかる」と言われました。ですがその時僕は、どうしてもすぐに留学先であるワルシャワに帰りたくて仕方がなかったので、大使館員に頼み込みました。

すると「明後日また来てくれ」と言われ、その言葉通り、二日後にパスポートを受け取ることができました。財布とスマホ、パスポートだけを持って、10時間かけてバスに乗ってワルシャワに戻りました。


――井上さんが思う、スリに遭わないための対処法などはありますか?

当たり前ですが、自分の荷物から目を離さないこと。仮に盗まれてもいいように、財布と携帯とパスポートは、肌身離さず持ち歩くことをお勧めします。

また、これは今回新たに発見したことなんですけど、パスポートの番号を控えておくと手続きがとても早く済むそうです。パスポートのコピーを持ち歩いたり、番号をメモしておくと役に立つ日がくるかもしれません。


井上さんのが繰り返し言っていたのは、「パスポートの携帯」である。パスポートさえあれば、どこであれ帰ることができるので、暇を持て余して異国の地で待ち続けることもなかったからだ。

実例を紹介したように、スリ被害に遭わないよう注意すべきことは多い。「自分には絶対に無い」なんて「絶対に」思わないようにしつつ、安全に旅行を楽しみたいものである。

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(取材・文/しらべぇ編集部・千葉 明美

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