日本美術の花々とメンバーの共鳴が美しい　『春夏秋冬／フォーシーズンズ　乃木坂46』

■“見返り美人”賀喜遥香がモニターに囲まれ…

大きなモニター5枚が並ぶ空間では「秘められた風景」をテーマに、最新曲『君に叱られた』でセンターを務める賀喜遥香が、メインの花である“菊”や草木、水に囲まれながらこちらを見つめてくる。

この展示の日本美術は、有名な「見返り美人図　菱川師宣筆」。どちらも振り向きざまが美しい。

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■角度で変わるジオラマの中には…

異なる場所・シチュエーションで表現された春夏秋冬12点の映像の中に映るのは、星野みなみと与田祐希。2人の背後には、椿と牡丹の屏風が置かれている。

春から冬への移り変わりが描かれた「四季花鳥図屏風　伝雪舟等楊筆」と対峙して小さなモニターが設置されており、まるで目の前に実物があるかのような立体的な空間映像が体験できる。

「振袖　白縮緬地梅樹衝立鷹模様」のツギハギのような、造形的な遊びをモチーフに演出された空間には、“梅”をメインの花に据えた梅澤美波の映像が浮かぶ。メイク、パフォーマンス、そして空間演出も、すべて「シュールなだまし絵」という本質にぴったりだ。

■グッズも豊富

展示パフォーマンスに参加しているメンバーは9人だが、グッズはメンバー40人全員分が用意されている。花と映るメンバーたち、全員美しい…。この写真を使ったグッズの他にも、公式図録やロゴTシャツ、アクリルキーホルダー、ポストカードなど、様々なグッズが販売される。

日本美術と日本のトップアイドルの共演。過去と現在の技術、そして窓から差し込む太陽光が織りなす、不思議で優雅で時間を忘れる場所になっている。

どの展示も、映像・日本美術・空間のすべてが合わさって完成形となる。乃木坂のファンでなくても、写真では伝えきれない｢この場所、その瞬間でしか見られない光景」を体験してほしい展示だ。

【展覧会】春夏秋冬／フォーシーズンズ 乃木坂46
会期：2021年9月4日（土）～11月28日（日）
休館日：月曜（ただし9月20日（月・祝）は開館）、9月21日（火）
会場：東京国立博物館 表慶館（東京都台東区上野公園13-9）
開館時間：9：30～17：00　金・土曜は20：00まで（入館は閉館の60分前まで）
チケット：一般・大学生1800円、高校生1000円、中学生以下、障がい者・介助者1名は無料（日時指定券必要）
※本展は事前予約制。詳細は展示会公式サイトをご確認ください。

※展示の日本美術作品はすべて東京国立博物館所蔵。本展覧会では複製を展示。
※「花下遊楽図屏風」右隻中央は原品では消失。複製は、ガラス乾板の画像から復元し合成した。