バイデン大統領がウクライナを電撃訪問 ウクライナ侵攻から1年となる中…
多くの人が驚いたバイデン大統領の電撃訪問。ロシアへは事前に通知したとのことだが…。
バイデン大統領は先月20日、ウクライナを電撃訪問し、首都キーウでゼレンスキー大統領と会談した。このニュースは世界にすぐ配信され、世界に衝撃を与えた。
■突如明らかとなったウクライナ訪問計画
バイデン大統領は米国から空路でポーランドに入り、首都ワルシャワから電車に乗って10時間かけてキーウに入ったとされる。高齢のおじいちゃんには体力的に厳しいものだっただろうが、それだけバイデン大統領には訪問する意義や目的があったはずだ。
そして、安全を考慮してか、ロシアには事前に通知していたという。
関連記事:まもなく1年迎えるウクライナ戦争 米軍がウクライナ介入できないワケ
■バイデン大統領の意義や目的とは
では、バイデン大統領の内にはどんな意義や目的があったのだろうか。
まず、国内向けアピールがある。バイデン政権が2年前に誕生してから、国民の支持はそれほど高くなく、アフガニスタンからの米軍撤退戦略などではむしろ支持率が低下し、苦しい立場にあった。
しかし、昨年秋の中間選挙を何とか突破し(というよりトランプ前大統領がこけたと言ったほうが適切かもしれないが)、このままの勢いで2024年秋の大統領選に繋げたいと思っており、そのためにも米国民の支持もあるウクライナ問題でアピールしたい狙いがある。それが今回の電撃訪問の背景にある。
関連記事:2022年世界平和と国際経済を破壊したプーチンの大罪 来年はどう出る?
■けん制の意図も
また、対外的には、米国は依然として世界の大国だとアピールする狙いがある。今回のウクライナ侵攻は、民主主義と権威主義の戦いとも表現されるが、民主主義陣営の親玉として、米国は権威主義には絶対に負けないとロシア、そして中国に対してけん制する意図があったことは間違いない。
ウクライナは米国や民主主義陣営とともにあるとゼレンスキー大統領を納得させ、軍事支援を強化することでロシアに立ち向かうとの姿勢を強調したかったはずだ。
・合わせて読みたい→バイデン米大統領がまた台湾防衛に「Yes」 本当に信じることができるのか
(取材・文/セレソン 田中)