原発再稼働、8割が「OK」 CO2削減より電気料金値下げ求める声強く
現在は6ヶ所のみが稼働している国内の原子力発電所。電気料金の値上げが続く中、再稼働は検討すべきなのか。
2011年3月11日の東日本大震災で津波の被害を受け、その後炉心溶融を起こした東京電力・福島第一原子力発電所。現在も廃炉作業が進むが、東京電力管内では、福島第二原発、柏崎刈羽原発も停止中だ。
■6月には電気料金が大幅値上げ
国内にある原子力発電所は16ヶ所。そのうち稼働しているのは、関西電力の大飯・美浜・高浜の3ヶ所、四国電力の伊方、九州電力の玄海と川内の計6ヶ所のみ。原発は、2010年まで電力の3割前後を担ってきたが、今は1桁台前半で推移してている。
定期検査中の原子炉もあるが、中には廃止措置中のものも。大手電力7社は6月からの料金値上げを発表したが、九州電力だけは値上げを回避した。その理由のひとつは玄海原発4号機が通常運転に復帰したことが挙げられている。
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■現在は8割が火力発電
現在、電力の8割前後を占めているのは火力発電。中でも先進国から批判を受ける石炭火力発電が3割を超えて推移。
日本は、燃料使用量やCO2排出量を削減できる超々臨界圧発電という高効率な石炭火力発電の技術を有しているものの、化石燃料による発電量が8割を占める現状は地球温暖化やCO2削減の流れにはそぐわない。
電気料金、排出ガスなどさまざまな課題もある中で、原発の再稼働について世間はどのように感じているのだろうか。
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■8割弱が「再稼働OK」
Sirabee編集部が、5月25〜26日にかけて全国10〜60代男女1,000名を対象に原発再稼働について調査したところ、「CO2削減のためならOK」と回答した人が20.6%。「電気料金が下がるならOK」との回答が最も多く56.1%を占めた。
「再稼働すべきでない」との意見はわずか23.3%にとどまり、圧倒的多数が現状においては原発の再稼働を求めていることがわかる。
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■若い世代で目立つ「値下げのためなら」
今回の調査結果を年代別に検証してみると、30〜40代の子育て世代では「電気料金が下がるならOK」という答えが6割前後にのぼった。
毎月のように続くさまざまなものの値上げで、生活費のかかる世代の負担感が増しており、とくに今回の電気料金はこたえたのかもしれない。また、全ての世代で原発再稼働する条件としては「CO2削減」を「電気料金値下げ」が大幅に上回っている。
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■執筆者紹介
タカハシマコト:ニュースサイトSirabee編集主幹/クリエイティブディレクター
1975年東京生まれ。1997年一橋大学社会学部を卒業。2014年NEWSYを設立し、代表取締役に就任。東京コピーライターズクラブ(TCC)会員。カンヌライオンズシルバー、TCC審査委員長賞、ACCシルバーなどの広告賞を受賞。
著書に、『ツッコミュニケーション』(アスキー新書)『その日本語、お粗末ですよ』(宝島社)
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(文/Sirabee 編集部・タカハシマコト)
対象:全国10代~60代男女1,000名(有効回答数)