引退を決意した藤田一也、最後に目指す三浦大輔の胴上げ 「こういう選手になりたいと…」 

引退会見を行った横浜DeNAベイスターズの藤田一也。三浦大輔監督を「男にしたいなという気持ちでいっぱい」と語り…。

2023/09/22 17:20


藤田一也

22日に現役引退の会見をした藤田一也は、ところどころで涙を頬に伝わらせた。自ら「涙もろい」と自白する41歳は、目を赤くしながらも最後の目標を公言した。



 

■兄貴分との絆

21年のシーズンは一度も一軍のステージに上がることなく、そのオフには楽天ゴールデンイーグルスから戦力外通告を受けた際、ベイスターズはいの一番のコンタクトし、10年ぶりの古巣復帰が決定した。

入団会見で三原一晃球団代表(当時)は「2軍監督のときの三浦大輔監督が『藤田はどうなんだ』と話していて、注目している選手だった」と明かすほど、現三浦監督も気にかけていた存在だった。


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■「こういう選手になりたいなと」

引退会見で「ぼくがドラフトで入団したとき、三浦さんが大エース。相手を抑えてくれるんですけど、なかなか打つことができず、勝ちを付けることができなくて」と当時を振り返った藤田。

「でもそんなときでも三浦さんて選手を責めることもチームを責めることもなく投げている姿を、ベンチからもショートのポジションからもすごく大きく見えた。勝てないときチームが苦しいときでも先頭に立ってチームを引っ張って行ってくれる姿を見て、こういう選手が日本を代表する選手なんだなと、こういう選手になりたいなと思いながらやってました」と憧れの存在だったと告白。

さらに「三浦さんが負けた試合でもその後ご飯に誘っていただいたり、なかなか試合に出ることができない僕に対して、頑張れ頑張れとずっと言ってくれていた」と、投手と野手の垣根を超えて励まし続けていてくれたことにも感謝していた。


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■「イーグルスで頑張れよと…」

しかし2012年のシーズン中、楽天へのトレードが成立し涙したときも、「楽天イーグルスで頑張れよと言ってくれたことは今でも鮮明に覚えているし。ぼくが楽天イーグルスで試合に出たり、優勝したり日本一になったときもおめでとうという言葉を送ってくれた」とずっと交流していたことも明かした。

「ベイスターズに復帰が決まったときも一番最初に電話いただいて、また一緒に頑張ろう、優勝しようといっていただいて迎え入れてくれてくれた」と、再び同じユニフォームで共闘することを三浦監督も待ちわびていたことがわかるエピソードも披露した。

昨年2位で上しか見ないで挑んだ今シーズンは、残念ながらタイガースに早くも優勝を決められてしまい悲願達成の夢は途絶えた。しかし「まだクライマックスシリーズを勝ち上がるチャンスがあるので、なんとしても三浦監督を男にしたいなという気持ちでいっぱいです」と赤い目をギラつかせた藤田一也。

“ハマの牛若丸”のラストストーリーは“ハマの番長”を宙に舞わせることで完遂する。


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■執筆者プロフィール

萩原孝弘:1971年生まれ。生まれも育ちも横浜の生粋のハマっ子で、大洋が横浜に移転して以来、一貫してホエールズ〜ベイスターズファン。

23年のオフィシャルイヤーブックもライターとして参加した。あくまでもファン目線で、独自のインタビューコラムや記事を各媒体で執筆中。

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(写真・取材・文/Sirabee 編集部・萩原孝弘

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