修羅の国・足立区、広報紙で自虐ネタと思いきや… 役所が明かす「本当の治安」に耳を疑う

東京・足立区の広報紙「あだち広報」に添えられたイラストが話題に。ネットで「自虐ネタ」説が浮上するなか、真意を取材してみると…。

2024/04/25 07:00



 

■自転車のイラストの真意は…

足立区役所の担当者によれば、2月25日号は2年連続で刑法犯認知件数が増加したことを伝えるものだという。担当者は、「刑法犯は様々な犯罪を含めていますが、自転車の盗難は全体の3割程度です。そのうち半分程度が無施錠によるものであることをお知らせしています。紙面の趣旨としては、自転車を盗まれたことよりも、全体として刑法犯が増えていることを伝えています」と説明する。

足立区

自転車のイラストがXで話題になったことは認知していた様子。ただ、自虐ネタに走ったわけではないという。

担当者からは、「月2回広報紙を出していますが、毎回『だ』の濁点を何かの形にしています。今回は自転車の盗難が話題の一つだったので、このイラストにしました」という回答が寄せられた。


関連記事:本田圭佑、日本の治安に憂慮 「何かあってからでは遅いと思わせる国に…」

 

■役所が明かす「本当の治安」

平成18年(2006年)から4年連続で「23区の刑法犯認知件数ワースト1位」を記録した足立区。今回、刑法犯認知件数が増加したと聞くと、やはり治安が悪いのでは…と思ってしまうかもしれない。ただ、近年の足立区はそうしたイメージとギャップがあるようだ。

担当者は、「一時期に比べると、刑法犯は減っています。平成13年(2001年)の1万6,000件から現在は3,000件ほどになっています。面積割や人口割でも決して悪い数字ではありません。面積割であれば、東京23区内で上から6番目、人口割だと13番目なので、東京23区内では良い位置に入っています。この10年ほど、区では刑法犯の認知件数を減らすことに重点を置いてきました」と話す。

今回は刑法犯認知件数が増えた結果になったが、2000年代の「東京で最も治安の悪い区」から状況は改善しているようだ。数年後、我々が足立区に抱く印象はガラッと変わっているかもしれない。


関連記事:ひろゆき氏、教育法に持論も“オチ”にツッコミ 「足立区まさかのもらい事故」

 

■執筆者プロフィール

斎藤聡人:1991年生まれ。『Sirabee』編集部記者。

某週刊誌の芸能記者を経て現職に。旧ジャニーズネタなど、芸能ニュースを中心に様々なジャンルを取材する。

チェーン店からローカル店まで様々な飲食店をめぐり、グルメ記事も手がける。仕事も兼ねた毎日のドラマ鑑賞が日課。

今期の推しは、『95』(テレビ東京系)、『イップス』(フジテレビ系)、『アンチヒーロー』(TBS系)。

・合わせて読みたい→ひろゆき氏、教育法に持論も“オチ”にツッコミ 「足立区まさかのもらい事故」

(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人

ルポ足立区【Amazon】

東京犯罪足立区治安刑法犯自転車盗難あだち広報
シェア ツイート 送る アプリで読む

人気記事ランキング