ドジャース山本由伸、オリックス時代を彷彿とさせる好投の裏に“ドジャース版・若月健矢”の存在

ロサンゼルス・ドジャースの山本由伸が、ワシントン・ナショナルズ戦に先発登板。日本ナンバーワンピッチャーとしての実力を発揮した。

山本由伸・若月健矢

ロサンゼルス・ドジャースの山本由伸が、日本時間26日早朝にアメリカ・ワシントンD.C.のナショナルズ・パークで行われたワシントン・ナショナルズ戦にメジャー6試合目となる先発登板。ナショナルズでは元オリックス・バファローズでWBCメキシコ代表でもあるジョーイ・メネセスが主軸を打っており、登板前日には談笑を交わして旧交を深める場面も見られた。

しかし山本はこの試合が始まるまでは、5試合を1勝1敗、防御率4.50と、日本で見せていたような無双的ピッチングの披露には至っていなかった。


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■初勝利後の活躍待たれた山本由伸

山本は、7日にイリノイ州シカゴのリグレーフィールドで行われたシカゴ・カブス戦との3連戦最終戦に先発。メジャー初勝利を収めたが、この日のキャッチャーは正捕手のウィル・スミスではなく、初勝利の試合以来となるオースティン・バーンズがスタメンマスクを被った。

前回登板は日本時間20日に本拠地ドジャースタジアムで行われたニューヨーク・メッツ戦で先発し、メジャー最長の6回99球4失点(自責3)奪三振は9という成績だったが、今回はメジャーでは2回目となる中5日の登板だ。


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■続く無失点

初回の山本は、最速155キロのストレートを軸にC.J. エイブラムズ、ジェシー・ウインカーを打ち取った。そして早くも巡ってきたメネセスとの初対決は、この試合のアンパイアが低めを取ってくれたため、ラッキーな見逃し三振で1回を15球無失点で終える。

その裏、テオスカー・ヘルナンデスが6号ソロを放ち、3連勝中のドジャースが先制。2回は先頭のルイス・ガルシアを空振り三振、キーバート・ルイーズをカーブで見逃し三振。ジェイ・ガロには四球を許してしまうが、エディ・ロザリオをスプリットでレフトフライに打ち取り、この回も無失点で終える。

3回は一死からジェーコブ・ヤングにカーブをレフトへ二塁打を打たれると、エイブラムズの打席の初球で初めてピッチクロックを取られるもセンターフライ。ウインカーは落ちる球を引っ掛けさせて、ファーストゴロに打ち取りこの回も無失点に。

3回を48球と球数は要しているものの、序盤乱調で被弾もした前回とは比べ物にならないくらいの素晴らしい投球だ。デーブ・ロバーツ監督が注文していた「ストレートの制球力」も含めて、バッテリー間の呼吸もテンポも良い。

一方でドジャース打線はチャンスを作るが、あと一本が出ないため、山本にとっては我慢のピッチングが求められていく。


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■嬉しい2勝目のプレゼント

そんな矢先、4回に先頭のメネセスがカーブをレフトへ運ばれて二塁打でいきなりピンチに陥るも、後続をピシャリと抑えて1点差を守り切る。

勝ち投手の権利がかかった5回には、強烈なピッチャーライナーを見事なフィールディングでキャッチ。現地の放送局の実況では「パシフィックリーグゴールデングラブ賞を3度受賞」と紹介され、ナショナルズのファンからも拍手が送られた。

5回まで79球、奪三振6、無失点というメジャーの登板では初めて全く不安のないピッチングに、山本からもオリックス時代のような風格が漂う。

ドジャース打線は、3回から4イニング連続でダブルプレーと山本をなかなか援護できない。しかし6回もピンチを招きながらも無失点で抑え、6回を97球、被安打4、奪三振7、無失点という完璧なピッチングで、ベンチに帰るとロバーツ監督とタッチを交わした。防御率は3.54まで下げている。

試合は8回にフレディ・フリーマンのタイムリーで追加点が入り、中継ぎ陣が何とか1点差で踏ん張ったことから、2-1でドジャースが4連勝、同一カード3連勝するとともに山本に嬉しい2勝目がプレゼントされた。


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■「若月健矢待望論」がリアルに?

山本由伸・若月健矢

今回の山本の好投は、初勝利をあげた時と同じくバーンズとバッテリーを組んだのが大きいように映った。力強いストレートにスピリットを多用、最近撃たれているカーブを緩急をつける効果的な場面で使っており、上がった制球力に配球が見事にハマったのではないだろうか。

オリックスのファンからは「若月もドジャースに行ったほうがいいのでは?」と、オリックス時代に女房役として山本とベストバッテリー賞を受賞している「若月健矢待望論」が冗談混じりで見られていたが、バーンズが“ドジャース版・若月”になる可能性は高いだろう。

メジャー6試合目にして、やっと日本ナンバーワンピッチャーとしての実力を発揮した山本が、次に目指すのは完投完封だ。球数を減らしても打ち取れるピッチングに期待をしたい。

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(取材・文/Sirabee 編集部・Sirabeeスポーツ取材班

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