【葛飾区柴又発】都内唯一の“渡し舟”!渡された先に見えた意外すぎる光景とは!?
川の向こう岸まで運んでくれる「渡し舟」をご存知だろうか?恐らくほとんどの人は、イメージこそできても見たことはないだろう。橋が整備された現代において、渡し舟はもはや一般的ではない。
舟に乗って、風を感じながらゆったり川を進む…思い描いてみると、なんとも気持ちよさそうである。実はそんな渡し舟に、都内で唯一乗ることのできる場所があるという。それが、『矢切の渡し』だ。いったいどのようなものなのか、実際に渡されてきたのでご紹介しよう。
矢切の渡しとは?
江戸時代初期、地元に住む人々の移動手段として、各所に渡し場が設置された。『矢切の渡し』は、今もなお都内に残る唯一の渡し場だ。渡し場は東京都葛飾区柴又にあり、対岸の松戸市矢切まで舟が往復している。
柴又といえば「寅さん」で有名。そんな下町情緒あふれる場所に渡し場が残っているというのが、なんとも粋に感じられる。対岸の渡し場も北総線矢切駅からほど近いため、そちらから舟に乗って柴又を訪れ、観光する人も多そうだ。
渡し場は京成線柴又駅から徒歩10分ほどの場所にある。駐車場もあるので、車で訪れることも可能だ。夏期は平日も運行されているが、冬季は土日・祝日のみで、運行時間は9:30~16:30ごろまで。料金は片道大人(中学生以上)200円、子ども(4歳以上)100円とリーズナブル。一度に最大30名まで乗れるので、団体での観光も可能だ。
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渡し場を探す
柴又駅から歩いて江戸川河川敷に出ると、広い柴又公園が広がっている。この公園内に渡し場があるのだが、初めて訪れた人は迷ってしまうかもしれない。地図が設置されているので、迷わず確認しよう。
目印は写真にある「矢切の渡し」と書かれたトイレ。他に周囲を見渡しても、「ここにあるよ!」と主張するようなものは何もない。
目印に従って奥へ進むと、渡し場らしき入口を発見。確かに『矢切の渡し』と書かれている。
近づいてみると、何やら利用料金や注意書きがあった。なんと、空いているときは自転車まで乗せてもらえるらしい。しかし不安なのは、「強風・急流時はモーターで動く」という点だ。どの程度がモーターの対象なのか、渡し舟素人の筆者では分かりかねる。別に渡れれば同じなのだろうが、せっかくなら手漕ぎを体験したいものだ。
訪れたときに舟は対岸にあったが、桟橋に出て行くとお客さんを乗せてこちらに戻ってきてくれた。向こうから訪れたのは25名の団体さん。このあと立ち寄った帝釈天参道で再度彼らの姿を目撃したので、やはり柴又観光に訪れたようだった。
ちなみに写真ではわかりづらいが、対岸に小さく旗が上がっている。この旗が上がっていないと、渡し舟は運休らしい。
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いよいよ渡されてみる
舟が着いたのは良いが、時刻表のようなものが見当たらない。そこで「何時頃に出ますか?」と聞いてみると、驚きの返答が…。
「乗るなら、すぐ出しますよ。特に決まっていないので」
ということで、さっそく乗り込んでみた。なんとラッキーなことに、他にお客さんがおらず貸切り状態。船頭さんが桟橋を蹴ると、ゆっくり舟が動き出す。この日は「強風」ではなかったらしく、手漕ぎを体験することができた。水面がキラキラ光って美しく、風が心地よい。
対岸に到着するまでは3〜4分。あっという間ではあるが、静かな時間を過ごすことができた。渡し場に舟を着ける際も、思ったほど揺れない。境界線は分からないが、舟に乗っているうちに千葉県に入っている。
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渡された先にあったものは…
いよいよ対岸に到着し、何が待っているのかとドキドキしながら進んでみる。目の前に広がるのは、やはり公園?それとも神社などの有名スポットだろうか。
渡された先に待っていたものは…
まさかのゴルフコース!!桟橋付近こそちょっとした休憩スペースがあったが、対岸の河川敷はゴルフコースとして整備されていたのだった。
帰りは走って帰ってみたが、どうやら「江戸川ラインゴルフ松戸コース」という名称らしい。他に観光スポットなどは特にない。ただ、ゴルファーの皆さんが楽しそうにゴルフを楽しんでいるだけだ。期待していた皆さん、ごめんなさい。
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まとめ
ちなみに帰りも舟に乗る場合は、同じく片道料金がかかる。もし歩くのであれば、川沿いに歩くと約2.5kmで柴又側の渡し場に着くようだ。
矢切の渡し。もし乗るのであれば、矢切側から柴又観光に訪れるか、柴又観光後に乗って矢切駅から帰宅するルートが良いかもしれない。なぜなら渡された先には、ゴルフコースしかないのだから。
もちろん矢切にも、神社などちょっとした名所はある。こうした場所を訪れてみたいのであれば、矢切観光をメインにしてみるのも良いだろう。
200円を握りしめて、矢切の渡しへ。一度は体験してみるのも面白いのではないだろうか。まるで、映画や小説のワンシーンのような気分を味わえるだろう。
(文/しらべぇ編集部・三河賢文)