東北復興への注目度は右肩下がり!なぜ復興庁は「東北ライター塾」を開くのか
ちょうど4年半前の今日、どこで何をしていたか、はっきり覚えているだろうか? それから1ヶ月以上続いた自粛ムードや全国から届いた温かい支援のことも。
人の記憶は薄れ、それと歩みを同じくして、メディアの注目度も下がる。
キーワードが流通する度合いを測るGoogleトレンドで「東北 復興」を検索すると、被災直後を頂点にして右肩下がり。毎年3月に上昇するもののその高さも年を追うごとに低下しているのがわかる。
画像はGoogleトレンドのスクリーンショット
■情報発信力を高めるため、ネットメディアにできること
「このままではいけない」と思っても、国民やメディアの注目を無理やり集めることはできない。一方で、多くのユーザーを集めるネットメディアの中には、そのメディア力を社会支援に活用する試みも見られる。
たとえばスマートニュースは、「アトラスプログラム」と題して、NPOに自社の広告枠を開放し、NPOの運営者自身がマーケティング力を磨く取り組みを行なっている。
ニュースサイトしらべぇも、復興庁「新しい東北」プロジェクトの一環として、東北6県に在住するウェブライターを発掘・育成する「東北ライター塾」を開講する。
さらにライターコンテストの入賞者を継続的に育てることで、マスメディアだけに頼らない東北からの情報発信をめざす。
■復興庁担当者に聞いた「今、東北に必要なこと」
復興庁は、なぜこうしたイベントを実施するのか? 復興の現状は、どうなっているのか? 復興庁で「新しい東北」プロジェクトを担当する地主純 参事官補佐(写真上)に話を聞いた。
震災から5年目となり、被災地では「風化対策」という言葉も聞かれるようになっています。「東北の復興なんて、まだやってたの?」と思う人もいるでしょう。
これはある程度しかたのないことかもしれませんが、復興の形が変わってきていると感じています。これまでの支援によって、「新しい成長の芽」がたくさん出つつある。
でも、まだ小さい萌芽なので、全国メディアでは埋もれてしまいます。だからこそ、「自分たちで伝える力」を高めないといけない。これは、「東北の財産」として活きていくのではないかと考えています。
■東北からの情報発信を続ける講師・パネリスト
東北から全国へ情報を伝えることで、活動の幅を拡げている人は多い。「東北ライター塾」では、そうした人たちの中から3人のゲストが登壇する。
・「浜のミサンガ」発案者、鷹觜愛郎さん
岩手県出身。漁網を材料にして手づくりのミサンガを製造・販売し、三陸に仕事をつくったプロジェクトを手がけた。
・「フィッシャーマンジャパン」事務局 長谷川琢也さん
「ヤフー石巻復興ベース」を立ち上げ、東京から宮城県石巻市に移住。三陸漁業の働き方を変えるプロジェクトの広報を担当。
・「萩野酒造」8代目蔵元 佐藤曜平さん
宮城県栗原市の日本酒蔵で杜氏も務めるかたわら、しらべぇコラムニストや若手蔵元による日本酒イベント「若手の夜明け」など幅広く活動する。
【復興庁☓しらべぇ「東北ライター塾】
・日時:2015年9月26日(土)14時〜(13時半開場)
・会場:宮城復興局会議室
宮城県仙台市一番町4-6-1仙台第一生命タワービル13F
・お問い合わせ:[email protected]
(文/しらべぇ編集部 共催/復興庁)