量が増やせないから質を上げる 杜氏の郷・柿崎で『吟田川』を醸す代々菊醸造

吟田川と書いて「ちびたがわ」と読むのが主銘柄だ。

2018/02/24 22:05



 

■築100年近い蔵の母屋

吟田川

玄関口をふさぐように大量に積み上げられたP箱を除けば、一見、酒蔵というよりは古民家のような佇まい。

かつて酒蔵の多かった時代には、1集落に1軒は酒蔵があったとも言われ、おそらく庄屋さんが民家のまま始めた酒蔵も多かっただろう時代も想像させる。

中澤家も名家だったと聞く。それが、途絶えることなく現代に受け継がれて、約250年。 建物が当時のままではないが、それでも母屋は100年近い。

昨年、何十年ぶりかで麹室を作り替えた。

「古くなってたからね。秋田杉を多めに仕入れて、修理の際にも同様に治せるようにした。体制を整えておかないと思ってね」


麹室も木製、もろみを絞るのは木製の槽だ。柿渋で塗られた大きな槽は存在感があり、歴史を物語る。しかし、扱いが面倒で人手が必要なため、使っている蔵は減っている。。

「私の考えだけど、やっぱり上からかかる自然の圧力で搾るのが自然だと思うのです」


手間をかけても、酒のためによければ、それはやるべきだと語る。


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■酒器に魅せられて

蔵元の中澤さんは、酒器の蒐集家でもある。元々は「酒の写真を撮るなら」という目的で、集め始めた。もっぱら上越市など地元の作家を見つけ出しては購入している。

酒器を通しての交流も広がった。その肌から雪の見える風景など、地元だから共感できる作品もあるという。

中澤社長:器は、お酒の味もイメージも変えます。地元の作家の酒器で、地元だけでしか飲めないお酒を飲むのもいいのではないでしょうか。 


蔵元お勧めのお酒は次の通りだ。

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①『吟田川 特別本醸造』
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