国会議員票の7割を固めた菅義偉官房長官 総理の座に向けてトリプルスコアの圧勝か

菅義偉官房長官が2日、衆議院議員会館で出馬会見を開いた。情勢は圧倒的優位が囁かれているが…。

2020/09/02 21:45


 

■「政治空白許されない」

菅義偉

菅氏は、「国難にあって政治の空白は決して許されません。一刻の猶予もありません。国民の皆さんが安心できる生活を一日も早く取り戻すことができるために今なにをするべきかを熟慮して参りました」と説明。

「安倍総裁が全身全霊を傾けて進めてこられた取り組みをしっかり継承し、さらに前に進めるために私の持てる力をすべて尽くす覚悟であります」と語る。

さらに、「ポストコロナを見据えた改革を着実に進めていく必要がある。その上で少子高齢化問題への対応、戦後外交の総決算をはじめとする外交安全保障のその課題、とりわけ拉致問題解決に向けた取り組み、そして、憲法改正。まずは目の前の危機を乗り越えることに全力をあげつつ山積する課題にも引き続き挑戦していきたい」と決意を述べた。

また、経済についても「安倍政権が発足し一貫して経済政策最優先で取り組んできました。私自身アベノミクスというものをしっかりと責任を持って引き継いで、さらに前に進めていきたい」と高らかに宣言している。

ふだん官房長官の会見では慎重な物言いが多かった菅氏だったが、言葉の端端から首相の座を禅譲される責任の重さが感じられた。


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■右派論客はどう見た?

金子宗徳

右派の論客は菅氏の会見をどう見たか。皇位継承問題について触れなかったのを残念がるのが里見文化研究所所長・月刊「国体文化」編集長で亜細亜大学講師の金子宗徳氏だ。

「次期内閣が取り組むべき大きな課題の一つは、皇位継承問題でしょう。これは、『日本国および日本国民統合の象徴』たる天皇の地位が如何なる論理に基づいて継承されるべきかという、国家の根幹に関わる問題です。


それについて言えば、(皇族女子が即位する)女性天皇・(母方のみが皇室との血縁を有する)女系天皇の可能性を検討すべきという石破氏に対して、菅・岸田の両氏は男系男子による継承という伝統を改めることになるとして消極的な姿勢を採っています」


そう指摘した上で、

「とは言え、野田内閣によって進められていた(女性皇族が御結婚後も皇族としての地位に留まる)女性宮家を創設しようとする動きを白紙に戻し、その後も議論じたいを避けてきた安倍首相に比べると、何が何でも男系男子による継承という伝統を守らねばならぬという強い拘りは(菅氏に)感じられません。


なお、官房長官を長く務めた菅氏は、この問題を巡る内外の議論を知悉しているだけでなく、(男系男子による継承が維持されるなら有力な候補者となる)敗戦後に皇籍離脱した旧皇族の末裔たちの実情も把握していると思われます。


実務家タイプとされる菅氏が首相になった暁には、現実に即した解決が図られるのではないでしょうか」


と期待を語る。

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■安倍・菅ラインの確執が消えた理由
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