ベランダに登場した謎の物体　人智を超えたポテンシャルに注目集まるが…

 

■有識者が「ダミーの巣」に戸惑うワケ

まずは早速、件の「ダミーの巣」に関するツイートを確認してもらったが、これには担当者も若干戸惑った様子を見せる。

大多数の人はハチ全般を一口に「ハチ」と呼んでしまっているが、有識者からすればそれは誤り。日本でよく見かける「スズメバチ類」「アシナガバチ類」「ミツバチ類」だけを見ても、その生態や特徴は大きく異なるのだ。

そのため種類を特定せず「ダミーの巣」のメカニズムついて解析することは、人間に危害を加える恐れのある「ハチ」という生物の特徴を鑑みても危険と言わざるを得ない。そこで今回は、日本全土で見かける機会の多いハチの対策・駆除に関する知識を改めてレクチャーしてもらうことに。

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■最も怖いハチといえば…

ハチの種類に関しては前述の通りだが、中でも「スズメバチ」の恐ろしさは人々の心に深く刻まれていることだろう。「でもスズメバチや危険なハチなんて、草木の多いところに自分から入らなければ、そう遭遇しないのでは…」と考えている人も少なくないと思うが、日常生活の中でも意外とエンカウントしやすいのがスズメバチの恐ろしいポイント。

アース製薬・研究部によると「スズメバチ科」に属する「キイロスズメバチ」は都市部の市街地で、「セグロアシナガバチ」は平地の人家周辺で普通に見られる存在だという。

スズメバチは巣の外見が他のハチと異なるのも特徴で、担当者は「スズメバチはマーブル模様の立派な巣をつくります。模様ができるのは巣材の種類の違いです」「働きバチがあちこちで巣材を集めてくるため、材料の違いから外皮の表面には特徴のある貝殻状の模様ができます」と注目すべき箇所を語ってくれた。

しかしもちろん「スズメバチにだけ気を付ければ一安心」というワケではない。アース製薬の担当者は「アシナガバチ類（特にセグロアシナガバチ、キアシナガバチ、フタモンアシナガバチ）は、営巣場所が人家の近くが多く、人間との接点も多くなります」と注意を喚起。

特に7月から9月にかけては巣に気づかず、刺激してしまうことで働きバチに攻撃されて刺されたり、干している洗濯物にハチが紛れ込んだまま室内に取り込み、刺されてしまうといったケースも起こり得るという。

なおハチの巣の対策については「現在6月なので、多くのハチはもう営巣を始めていると思います」「家の周辺でハチを見かけるようになったら、樹木や軒下、フェンス等を注意深く見て、巣を確認することが重要です」と注目ポイントを説明してくれた。

毎年同じような場所に営巣することから、そういった場所には春のうちにエアゾールをかけておくのも有効だそう。

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■全て「自分で対処しよう」は危険

我々人間のサイズと比較すると、とるに足らない大きさのハチだが、その危険性は言わずがもな。

アース製薬で取り扱っているものではスプレータイプの『ハチアブマグナムジェット 550mL』がハチやアブなどに有効だ。また、置くだけでスズメバチの巣ごと駆除できる毒餌剤タイプの『ハチの巣コロリ スズメバチ用駆除エサ剤』もある。

他には『ハチがホイホイ』といった、仕掛けたその日から飛来したハチを誘引、捕獲するハチ用捕獲器なども取り揃えている。

またスズメバチや25cm未満のスズメバチの巣には、スズメバチ専用の『スズメバチマグナムジェットプロ 550mL』をオススメしたい。レギュラータイプと共通して、これらのスプレーにはハチを無力化させる成分が配合されているのだ。

同スプレーは、ハチの巣に使用することも可能。これら文明の利器を駆使すればハチなど恐るるに足らず…と思わず恐怖を忘れてしまうほどのポテンシャルを秘めているが、アース製薬は「25cmを超える巣に処理すると危険ですので、その際はスプレーを使用せず、専門の防除業者にご相談ください」とも忠告していた。

世の中にはユニークな「ハチ対策」がまだまだ多く眠っていることと思うが、根拠がないまま試してハチに刺されてしまっては本末転倒。まずは決して無理せず、正攻法から着手していくことをオススメしたい。

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（取材・文／しらべぇ編集部・秋山 はじめ）