雛人形を毎年飾っている人は2割以下 「猫を飼い始めてからは出せなくなって…」
関東と関西では顔の印象や並べ方に違いがあるという。
昔は飾っていたけれど、いつの間にか出さなくなってしまったという人もいるのでは?
■毎年ひな祭りには雛人形を飾っている
Sirabee編集部が全国の10代〜60代の男女800名を対象に実施した調査では、全体で18.3%の人が「毎年ひな祭りには雛人形を飾っている」と回答した。
なお男女別に見ると、男性は13.3%、女性は23.8%という結果になっている。
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■猫がいたずらするので出せなくなった
編集部が話を聞いた40代の女性は、「以前は娘が生まれたときに母から貰った雛飾りを毎年出していたのですが、猫を飼い始めてからは、いたずらをされてしまうので出せなくなってしまいました」と述べた。
少し大きめの段飾りなので、ケースに入れることもできないそうで、試しに一度出してみようとしたけれど、すぐに寄ってきて触り始めたので、結局飾ることができず、それっきりになってしまっているという。
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■始まりは平安貴族の「ひいな遊び」
雛人形には、その家の女の子が「幸せな結婚ができるように」、「良い人と巡り会えるように」との願いが込められている。また、身代わりとなって厄を引き受けてくれる意味もあり、「娘が健康に育つように」という願いも込められている。
その始まりは、平安貴族の女児の間で行われた「ひいな遊び」だと言われている。紙で作った人形と家財道具に似せて作ったおもちゃを使ったいわゆる“ままごと遊び”で、江戸時代になると、宮中行事として雛祭りが取り入れられるようになり、次第に庶民にも広まっていった。
人形も、最初はお内裏様とお雛様だけであったものが、江戸中期になると段飾りが登場し、三人官女などのお付きのものや雛道具が飾られるようになっていった。
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■関東と関西、地域による違いとは
雛飾りには、輿入れ道具のほか、魔除けや邪気払いの効果があると考えられている桜や橘などの植物や、赤は魔よけ・緑は健康・白は清浄をあらわすとされる菱餅など、健康や幸福への願いを込めて飾られているものもある。
また、関東と関西では人形の顔立ちや並べ方に違いがあるという。関東では少しふっくらした顔立ちで微笑んでいるように見えるものが多く、関西の京雛などは鼻筋が通り切れ長の目の上品な顔立ちをしているものが多いようだ。
並びは関東では左にお内裏様、右にお雛様だが、関西では逆に左がお雛様、右がお内裏様になるという。これは、日本古来の、左側の方が位が高いという左方上位のルール(関西式)に従っているか、明治時代の終わり頃から皇室でも取り入れられた西洋式のルール(関東式)に従っているかの違いなのだそう。
ペットや住環境によって出しにくくなってしまった人もいるようだが、女の子の健康と幸せを願う気持ちはしっかりと受け継ぎ、伝えていきたい。
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(取材・文/Sirabee 編集部・蒼羽 結)
対象:全国10代~60代男女800名 (有効回答数)