レッドマンに続け!次のリバイバル特撮ヒーローふたりとは…
こんにちは、モノブライトのベース、出口です。先日5月2日に取り上げた『レッドマン』の加熱ぶりが凄いことになっています。
このムーブメントを受け、70年代当時のフィギュアが発売から40年近くたった2016年に急遽復刻が決定し、新旧の特撮ファンをさらなる熱狂の渦に巻き込んでいるのです。
『レッドマン』の放送が終了した後、彼の跡を継ぐように現れたヒーローをご存知でしょうか? レッドマンと同じ出自を持ちながらも、現在は特撮ファンの間でも知る人ぞ知るヒーロー「ゴッドマン」と「グリーンマン」です。
■正統派ヒーローと思いきや、ちょっとドジっ子のゴッドマン
レッドマンが終了した直後、颯爽と登場したのがゴッドマン。
レッドマン同様に怪獣と戦うのが基本コンセプトですが、今作から「子供たちに襲いかかる怪獣、宇宙人を撃退する」という戦う理由が明確に描かれているのが特徴。
加えて、製作会社が東宝に変わったことで(レッドマンは円谷プロ)、東宝特撮作品の怪獣や新規造形の怪獣が登場し、ミニチュアセットによる撮影が行なわれるのが特筆すべき点。
しかし、この新しい試みが上手くいったかというと、必ずしもそうではない場合が多いのです。
1回の放送時間が5分のコーナーといえども、放送は毎日。新規怪獣のデザインや造形に追われながら、ドラマ仕立てになったことで3回もしくは7回にかけて物語を完結させる必要性も出てくるので、制作スケジュールの過密さ、過酷さから、作り込みの甘さが至るところに見られます。
たとえば、ゴッドマンが使用する武器「ゴッドクラッシャー」は、刺のついた鉄球を鎖で棒に繋げたものを振り回すのですが、怪獣に引っかかってしまう。当たると爆発する円盤状の「ゴッドサークル」は、着弾しても爆発しないただの円盤と化します。
造形は王道のヒーローらしく主題歌も抜群にカッコいいのに、戦闘シーンではちょっとコミカルな場面があるのが、ゴッドマンの面白さと魅力ですね。
■赤の次は緑! グリーンマン現る!
ちょっとだけグダグダな戦いぶりを見せてくれたゴッドマンが去った後に登場したのが、グリーンマン。
「子供の生き血を狙う魔王と、子供を守るグリーンマン」という対立軸を描き、ゴッドマンで取り入れられたドラマ部分をより発展させた作劇が特徴。
そして、何より特徴的なのはグリーンマンの造形でしょう。これまでのヒーローとは違い、どことなく中国や東南アジアの骨董品を思わせるテイスト。
「金河系グリーン星からやってきたロボット生命体」という設定が、ひとつも造形に繋がっていない点が70年代特撮の良い意味での曖昧さや、おおらかさを体現。「これが昭和特撮ヒーローだ!」と言わんばかりの説得力(とヘンテコさ)で溢れています。
グリーンマンは変身機能がないので、呼び出しボタンをピンチのときに押すよう子供たちに託します。このときの台詞が
「それはグリーンマンコールです。私を呼ぶときは、ボタンを押してください」
どう見ても飲食店で店員さんを呼び出す「御用の方はボタンを押してください」にしか見えないあたりも、リアリティや整合性を求める昨今の作風にはない深い味わいがあります。
1970年代は、今とは比べ物にならないくらいの作品が乱立していた特撮黄金期と言える時代。その中でも、ゴッドマン、グリーンマンは知名度的にもマイナーヒーローです。 手軽に見られる環境ではないことも、マイナーさに拍車をかけています。
この先、レッドマンのように手軽に視聴できる環境が整えば、レッドマンに続いてもう一度表舞台に帰ってくるかもしれません。その期待を込めて、応援したいと思います。
(文/モノブライト・出口博之)