今年の大河『おんな城主直虎』の「真の主役」は今川義元か
2017年の大河ドラマ『おんな城主直虎』が、いよいよ始まる。
井伊直虎という人物は、地元浜松市でもマイナーな歴史キャラだった。まったく知られていなかったわけではないが、浜松市から静岡市にかけての「歴史の偉人」といえば徳川家康。それに比べれば、直虎は影の薄い存在だ。
だが『戦国BASARA』や『戦国無双』などのゲームで直虎が取り上げられるようになると、彼女の「再評価」が開始された。今や浜松市は、直虎ブームに湧いている。
だが、同じ静岡県内にある静岡市では、やや違った捉え方をされているようだ。
■静岡市は今川の本拠地
静岡市は隠居後の徳川家康が拠点にしたところでもあるが、それ以前は今川氏の旗が立っていた町としても知られている。
そういうこともあり、静岡市民の『直虎』の見方は今川義元にウェイトが置かれているようだ。その上、今回のドラマで義元を演じるのは静岡市清水区出身の春風亭昇太。
ご当地の有名人にご当地の歴史人物を演じさせるという、静岡市民にとっては嬉しいキャストが話題を呼んでいる。
今川義元は桶狭間の合戦で討ち取られてしまったせいで、後世では低評価に甘んじている。だが彼は「海道一の弓取り」と呼ばれ、関東の後北条氏や甲州の武田氏と並ぶ大勢力を形成していたのだ。
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■「バカ殿」の再評価
だからこそ、今年の大河ドラマの「隠れた主役」は今川義元ではないかという見方もできる。
さらに、彼の嫡男の今川氏真は和歌や蹴鞠に明け暮れた「バカ殿」として知られている。だが『直虎』では、井伊家に立ちふさがる巨大な敵として登場するようだ。
となると、氏真の「無能なボンボン」という評価もこれから大きく変わるのではないか。
いずれにせよ今回の大河ドラマは、「駿府の今川氏が巨大な力を持っている」という点に注目だ。
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■絶大な大河ドラマ効果
去年の大河ドラマ『真田丸』では、西村雅彦演じる室賀正武が一躍有名に。
彼は信濃小県郡の国人で、『真田丸』以前の知名度はゼロに等しかった。それが「黙れ小童!」効果もあり、一転して全国のスターになってしまったのだ。
また、2009年の大河ドラマ『天地人』の主役は直江兼続だったが、この人物もそれまではマイナーキャラの域を出なかった。上杉の地元である米沢では、「兼続は上杉の家を没落させた佞臣」という見方もあったほど。それが今や、「主君を支えた義と愛の忠臣」。
今年の作品では、どのような人物にサプライズがもたらされるのだろうか。
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