開業まで1カ月、北海道新幹線に「勝ち目」はある?

まずは新幹線に関心を寄せてもらおうというアピール面での手腕が強く求められることになりそうだ。

2016/02/25 11:00


北海道新幹線

3月26日、北海道新幹線の新青森~新函館北斗間が開業する。東京から乗り通したときの所要時間は「はやぶさ」の最速列車で4時間2分。飛行機なら羽田〜函館は1時間20分だ。


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■飛行機との競合は?

たとえば朝6時30分、東京駅にいる人が函館へ向かうとしよう。飛行機なら羽田空港7時50分発の便に間に合う。函館空港には9時10分着。リムジンバスへ乗り継いで、函館駅には9時45分に到着する。

新幹線なら東京駅6時32分発の「はやぶさ1号」が利用でき、新函館北斗駅に10時58分着。在来線へ乗り継いで函館駅への到着は11時25分になる。飛行機の1時間40分後に到着するようでは競争にもならない。

なお「はやぶさ」は、上野駅と大宮駅にも停車する。「羽田へ出るのは不便」かつ「東京駅や上野駅、大宮駅の利用なら便利」という人なら、新幹線の利用を検討する余地がありそうだ。


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■気になる運賃は?

東京から新函館北斗まで直通する「はやぶさ」は、全車指定席。自由席はなく、JRが発表した運賃(特急料金含む)は、普通車で2万2,690円だ。

一方、飛行機は羽田・函館間が普通運賃で3万7,890円。新幹線に比べると高額だが、おおむね3万円強(利用便による)になるビジネス運賃の設定があるほか、1万円台前半(同)の「バーゲン運賃」も設定されることがある。

ただし飛行機の運賃は、安価になればなるほど利用便の変更やキャンセルで高額な手数料が発生するなどのデメリットがある。 新幹線は、空席さえあれば直前の予約でも同一運賃。予約の変更や払い戻しにかかる手数料も無料か、おおむね数百円と比較的安く済む。


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■新函館開業への関心は?

函館の夜景
©写真AC

しらべぇ編集部の調査によると、「北海道新幹線が開業したら乗ってみたい」という人の割合は38.2%。年代別では60代のシニア層で関心度が高く、45.4%と全体をリードしていた。

都道府県別では、地元・北海道で51.9%と最も関心度が高く、東京・上野・大宮駅の利用が期待できる千葉県(46.9%)や東京都(46.4%)、埼玉県(43.8%)の首都圏側「沿線」3都県でも数値が大きい。新幹線には、より魅力的で利用しやすいダイヤや運賃、旅行商品の提供で期待に応えてほしいところだ。

グラフ

最も関心度が低かったのは福岡県(25.0%)と愛知県(27.5%)。大阪府(31.5%)でも全国平均を下回る。

飛行機との競合では羽田空港が相手の首都圏以上にハンディが大きくなるエリアだけに、まずは新幹線に関心を寄せてもらおうというアピール面での手腕が強く求められることになりそうだ。

(取材・文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ
調査期間:2016年1月22日~2016年1月25日
対象:全国20代~60代の男女1,340名
飛行機調査函館
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