地方の人が抱く「東京のイメージ」に驚き…移住経験者が語る
2016/04/04 11:00
地方への移住を考えたことがある人はいるだろうか。政府がUターンやIターンを促進しており、首都圏から全国各地へと移り住む人は今後増えていくだろう。
そのときに、少なからず不安を抱く人もいるかもしれない。編集部では、就職や転勤、結婚で東京から地方に移住した人々に「そこで感じたこと」を聞いてみた。
■ 地元民に言われて驚いたこと
地方の人が東京に抱いている「イメージ」は、さまざまあるようで、「こんなふうに思っていたのか」と驚いた人も。
「『なんで東京の人は雪道を歩くのが下手なの?』と聞かれた。テレビ番組で見た影響なのかもしれないけど…。なので、『あれはあえて転んだ人を選んで映しているだけだ』と答えた」(20代男性)
「『あんた、都落ち?』と言われた。東京を『中央』と呼んでいる人もいて、卑屈な表現は嫌だった」(20代女性)
「東京電力の原発が爆発したとき、電気を使っていたというだけで東京都民を代表して怒られた」(30代女性)
このほか、「東京というだけで嫌悪されたことがある」と答えた人も。だが、最初こそそうした反応をされるも、時間が経つにつれて受け入れてくれたり、何かあったときには協力的になってくれるとも語っている。
また、地方の人は「東京へのあこがれが強いのでは?」と感じた人もいたようだ。
「中部地方2か所に赴任したが、東京へのあこがれが強いと感じた。都内にオープンしたものについても詳しかったので。一方で、スポーツの面では地元愛の深さも感じる」(30代女性)
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■ 驚かされた「地方の現実」
さらに、実際に地方に移り住んでみて驚いたことも数々あったという。
「世間で言われるほど、東京に比べて食費や家賃が安くない。しかも車がないと生活できず、車検代やガソリン代、税金がかかる。そのうえ、慶弔が大々的。職場の10人分の新築祝い、お見舞い、出産祝い、ご家族のご不幸などすべて5千円だった」(30代男性)
「電車に乗らない。車文化だから当たり前だけど…」(30代女性)
「温泉が身近! 仕事帰りにワンコインで入浴できる」(20代女性)
「雪のすごさは想像以上」(50代女性)
観光だと魅力的な自然や文化は、生活となると悩みになる面もあるようだ。
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■ それでも地方が嫌いになれないのは…
生活をしていくうえで「地方の現実」を思い知ることもあるようだが、それでも嫌いにはなれないという。
そうした感覚は、「会津の三泣き」という言葉でも表現される。これは、会津地方に赴任すると三回泣くことになるという意味だ。
一回目は、会津の人の警戒心の強さから、よそ者扱いに涙を流す。
二回目は、会津の人は受け入れると、すこぶる優しい。人の温かさに感涙する。
三回目は、再び別れの日が来たとき、その寂しさで号泣する。
会津に限らず、地方に移り住んだことのある人は身に染みる言葉かもしれない。
新たな土地で生きること、知らない文化に触れることは、自分が成長できる最大のチャンスなのかも。そうした自分自身の変化を感じ、いろいろな価値観の人を出会うことは魅力的だと言えるだろう。
(取材・文/しらべぇ編集部・大空美南)