ネット選挙普及も、依然マスメディアの影響大 20代が「参考にした情報源」を調査
約2週間続いた選挙戦も14日に終わったが、注目された投票率は、前回に引き続き史上最低を更新した(52.66%、前回よりも6.66ポイント減)。
2013年7月に行われた第23回参議院議員選挙から、インターネットを使った選挙活動も解禁され、当時から「若者の政治への関心を高めること」が期待されていたが、果たして実際には、その効果は生まれているのだろうか。「若者が投票活動に参考にした情報源」について、しらべぇ編集部では、博報堂DYメディアパートナーズ・メディア環境研究所と共同で、調査を実施した。
Q. 今回の選挙の投票先を決めるのに、参考にしたメディア情報は?(複数回答)
NHK 45.5%
民放テレビ 44.0%
新聞 28.5%
インターネットポータルサイト・ニュースサイト 21.0%
政党・候補者サイト 13.0%
SNS 11.5%
ネット掲示板(2ちゃんねるなど) 8.0%
まとめサイト(NAVERまとめなど) 7.5%
(今回投票に行った20代男女200人に調査)
テレビ・新聞の強さが目立つ結果となった。最近は「マスゴミ」などと揶揄されることも多いこれらの媒体だが、若者層にとっても、まだまだ影響力は大きいようだ。ネットでは、ポータル・ニュースサイトと、政党・候補者サイトがよく見られているが、SNSの重要度も高まっている。特に、安部首相のFacebook上での発言は、批判も含めて注目を集めたが、各党のSNS活用は、今後ますます鍵になってくるであろう。
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若者は投票に行ったのか?
こういった情報は、「若者が政治に関心を持つこと」や「投票先の検討」に役立っているのだろうか。まずは投票率から比較してみた。
Q. 今回の衆院選で「投票した」と答えた人の割合
20代 55.9%
30代 59.5%
40代 60.7%
50代 73.7%
60代以上 80.8%
アンケート母体が異なるため、報道されている数字(全体の投票率で52.66%)とは差があるが、「若い世代ほど投票に行っていない」という傾向は顕著だ。残念ながら、ネットから発信される情報も、若年層の政治への関心を高めるまでには、まだ至っていないと言えそうだ。
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投票先を決めるタイミングは?
また、こうして情報を得ながら、いつ投票先を決めているのだろうか。
Q. 最終的に投票先を決めたタイミングとして最も近いものは?
元々決めている・支持政党がある 31.0%
投票日1週間~10日ほど前 25.5%
投票日3日前くらい 4.5%
投票日前日 5%
投票日当日 11.5%
投票直前 22.5%
(今回投票に行った20代男女200人に調査)
投票に行った人の約7割が、公示後に投票先を決めていることがわかった。以前しらべぇでも、「5人に1人が、投票所に行ってから、誰に投票するかを決めている」という結果を紹介したが、約50%は公示から投票所に行く前の間に、情報を得て検討していることが伺える。当たり前のことではあるが、「公示から投票日までの選挙活動や発言も、やはり重要である」と言えるだろう。
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2014年12月15日(月)~12月17日(水)
対象:全国の20~60代男女1261名/全国の「今回の衆院選で投票をした」20代男女200名
(文/しらべぇ編集部×博報堂DYメディアパートナーズ・メディア環境研究所)
画像は「公益社団法人 明るい選挙推進協会のホームページ」のキャプチャです。