【「やりすぎ」と評判】お金持ちからしぼり取る? 7月開始の「出国税」とは?

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増税ラッシュが続いています。平成26年4月に消費税8%、平成29年4月に10%に増税。またそれ以外にも平成27年1月からは相続税が増税。

例えば親が亡くなり1億円の財産があったと仮定しましょう。それに対して相続人となる子供などが3人いた場合、増税によって今までよりも更に3200 万円も納税額が増えることになります。

そんな税制改正に次いで平成27年7月1日から、新たに「出国税」が施行される予定なのをご存じでしょうか?

 

■出国税は「お金持ち」にきびしい制度らしい

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出国税は、資産額が1億円を超える者が出国する場合、保有している株式に対し「たとえ譲渡していなくても、その含み益に課税する」というもの。

「含み益」とは、株式取得にかかった原価に対して、その後値上がりした場合、「含み益がある」という風に言います。

起業家や資産運用をしている方々にとっては決して他人事ではすまないこの出国税。つまり「お金持ちは日本を出るなら税金収めて下さい」と受け取れます。

ネット上では、この制度を支持する声がある一方で以下のようなコメントが多数寄せられています。

「自社株の含み益にまで課税されるのか」
「金持ちの負担が大きすぎる」

元ライブドア社長の堀江貴文氏もこれについては、

と述べていました。

 

なぜ「やりすぎ」と言われるような課税が始まるのか?

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今回はこの出国税について、元国税調査官・松嶋洋さんに解説していただきました。

Q.なぜ「出国税」が登場したのでしょうか?

「日本に住んでいる方が株式を譲渡すれば、問題なく税金を取ることができますが、日本以外の国に住所を移すと、原則として日本では税金を取ることができません」(松島)

そもそも国内での株式取引には税金がかかることをまず押さえておく必要があります。しかし「この税金をもっと抑えたい!」、つまり節税したいと考えるのはごく自然なこと。

「世界を見渡せば株の譲渡を非課税で行うことができる国もあります。典型例は香港。

 

このため、香港に住所を移してその間に株式を譲渡すれば、日本はもちろん、香港でも税金がかからないという結論になります。

 

出国税は、このような安易な節税を防止するために、必要な制度と説明されています」(松島)

またこの出国税以外にも、平成26年から始まったある制度があります。

それは国外に5000万以上の資産を持つ方は国外財産調書の提出が義務付けられており、これを怠ると厳しい処分がくだされるというもの。更には平成30年から海外に預金口座を持つ人は、その預金情報が自動的に日本の国税庁に連絡されるというものです。

これによって海外に財産を預けておけばなんとかなるといった考えは一切通用しなくなるそう。

 

■もはや、いたちごっこ…

これまで様々な富裕層への課税ルールを述べてきましたが、そもそも税制はいたちごっこといわれています。

課税ルールを国が決め、それを守りながらも節税を模索し実行する。そしてまたその節税を禁止するルールを国が決める。

「取れるところから取る!」という強硬姿勢が垣間見える増税ラッシュですが、これが今後も続いた場合、日本から逃げるかあるいは日本に残るか、これはそのお金持ち一人だけの問題ではなく、国家の安定度にも影響があるでしょう。

そんな簡単に国を捨てるはずがない、と考える方は多いでしょうが、あなたがもしもお金持ちならどうしますか? 今後にますます注目です。

(文/しらべぇ編集部・相談LINE 公式サイトはこちら

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