【調査】日本は「女性優遇」?テレビから「ポロリ」が消えた背景は…
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日本は、「男女平等」の国。子供のころから、そう教えられてきたはずだ。
しかし、映画のレディースデーに女性専用車両、デートのおごりや飲み会の会費など、男性と比べて「女性がおトク」に感じられる場面は、日常の中で少なくない。
一方で、妊娠して働き続ける女性へのマタハラ(マタニティ・ハラスメント)や、男性社員と出世に差がつく「ガラスの天井」など、まだまだ女性が不利益をこうむる構造も残っている。
こうした状況に対し、男性・女性は、それぞれどのように考えているのだろうか? 全国20〜60代の男女1666名に調査を実施した。
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■男女とも「女性が優遇」は少数派ながらも…
「日本では女性が男性より優遇されている」と考える人は、女性では3割。男性でも少数派ながら、女性のおよそ1.5倍で4割を超えている。
これを年齢別に見てみると、さらに男女のギャップが浮かび上がってきた。
20代では男女が拮抗し、「女性のメリット」を感じる女性のほうが男性より多い。しかし、それ以降では、男女の認識の差が大きく開いた。
とくに40代では「女性のほうが優遇」と考える男性が半数を超えたのに対して、女性でそう考える人は全年代でもっとも少なくなっている。
若い世代では、男女平等教育がより進み、社会の仕組みも変わってきたように感じられるのかもしれない。かたや、昇進で差を感じる女性、経済的な依存に違和感を覚える男性など、ある程度歳を重ねると、男女の差をつきつけられる機会が増えるのだろうか。
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■女性優遇が目立つと男性ユーザーは離れる?
企業が自社の戦略として、男女どちらかの顧客を優遇するのは、自由だ。しかし、「女性優遇」があまりに目立つと、男性ユーザーが離れるリスクもある。
ひとつの例は「テレビ」だ。博報堂DYメディアパートナーズが、7月7日に発表した「メディア総接触時間」におけるテレビの割合を性別・世代別に見ると以下のようになる。
男女がテレビを見る時間は、20代ではそれほど大きな差がないが、3、40代ではかなり開きが大きい。男性において、ネットを使う時間がテレビを上回るのは5、60代のみ。しかし女性では、30代からネットとテレビが拮抗する。
テレビ番組が、F1(20〜34歳)F2(35〜49歳)F3(50歳〜) というコードネームで呼ばれる女性層を強く意識してつくられていることは、ご存知の方も多いだろう。
かつて男子が「ポロリ」を楽しみにしていた『女だらけの水泳大会』のような番組は、もはや完全に姿を消した。このデータからも、40代以下の世代では「テレビは女性向けメディア」と言っていい。
マーケティング戦略として男女どちらかを優遇するのは、効果とリスクが裏表なのだ。
(文/しらべぇ編集部・盛山盛夫)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2015年6月19日~2015年6月22日
対象:全国20代~60代 男女1666名