くしゃみをすると鼻づまりが一瞬改善するのは何で? 耳鼻科の先生に聞いてみた

2015/11/04 17:00

sneezing

©iStock.com/antpkr

寝苦しい、うまく喋れない、ボーっとする……こんな状態を引き起こす「鼻づまり」って、本当に辛いですよね。早くラクにならないかなぁと思っていても、すぐには症状は改善しません。

そんなとき、あることをするとウソみたいに鼻の通りが良くなることがありませんか? そのあることとは、くしゃみです。

鼻づまりのときにくしゃみをすると「え、何が起きたの?」と思うほど急に鼻づまりが解消されるものです。その時間は一瞬なのですが、あのとき鼻の中では一体何が起きているのでしょうか?

この疑問について、耳鼻咽喉科の医学博士、S先生(32歳、男性)に聞いてみました。

先生「まず、鼻づまりの原因は主に“一時的なもの”と“持続的なもの”に分けられます。くしゃみで一瞬ラクになるのは、一時的な鼻づまりの話でしょう」


先生によれば、“一時的な鼻づまり”は、

・ウイルスや細菌に感染している状態(風邪など)
・アレルギー反応が起きているとき(花粉症など)

においてよく見られるとのこと。こういった状態では、鼻の中では「鼻の粘膜が腫れ」、「鼻水が分泌された状態(たまった状態)」になります。

先生「鼻づまりという症状自体は、鼻の気流制限、つまり鼻呼吸をする時に空気が通りやすいのか通りにくいのかで自覚症状を感じます。鼻粘膜のはれ、鼻汁のたまりが起きると、当然鼻の中の空気が通るべきだったスペースがいつもより狭くなり、鼻呼吸しづらくなって鼻づまりを感じます」


ここまでが、鼻づまりのメカニズムですね。では、ここでくしゃみはどんな働きをするのでしょうか?

先生「くしゃみは、ホコリやウイルスといった異物の刺激があったとき、それを排除しようとする体の反射のひとつです。くしゃみは、その異物を排除しようとする目的から、かなり強い勢いの息を口や鼻から出します。つばが1メートル以上飛んだり、鼻水が吹き出しちゃったりなんてこともありますよね。


よって、風邪などで鼻づまりが起きているときにくしゃみをすると、その勢いで鼻水が少し出たり、場合によってはつまりの原因となっていた異物が動いたりといったことで鼻の中にちょっとのスペースが生まれ、気流制限が改善し、“鼻づまりの緩和された感じ”を一時的に感じるのかもしれません」


――なるほど、あくまで“感じ”なんですね。

先生「はい。鼻づまりの根本の原因として、風邪やウイルスによって起きている粘膜の腫れや鼻水を出しやすい状態というのが存在し、くしゃみをするだけでその根本が解決されるわけではもちろんありません。症状の改善は一時的なもので、すぐにまた元に戻ってしまいますね。でも、あれで“一瞬よくなった!”と安心する気持ちはよく分かります」


(文/しらべぇ編集部

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