【クリスマス一色の街】さえない「元・女の子」の苦悩とは?
12月といえばクリスマスである。いや、冬至もあったか。
「私はゆず湯に入り、カボチャを食べて冬を乗り切るのだ」
という御仁もあるにはあるにせよ、街はイルミネーションとクリスマスソングにあふれ、否が応にもクリスマスを意識せざるを得ない今日この頃である。
こうして12月がクリスマス一色になることについて、うっすらと抵抗感、あるいはハッキリと嫌悪感を抱いている人もいるのではないだろうか。
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■成熟した女性は「クリソン」を否定
しらべぇ編集部の調査によると、「街中でBGMとして流され続けるクリスマスソングにいらつきを感じる」という人の割合は13.6%。
ただし30代女性では20.4%、40代女性では18.1%と、成熟した特定年齢層の女性に限ると高い割合で、ズバリ「いらつく」とする人が増える。
すると「BGMとしてのクリスマスソング」には「彼女らをいらつかせる何か」があると読み取れる。
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■定番「クリソン」の世界観とは
特定年齢層の女性、すなわち現在の30代・40代女性が生まれたのは、1966(昭和41)年から1985(昭和60)年である。
彼女らが多感な年頃を迎えていた時代のクリスマスを知る参考に、当時のテレビが放送したCMやドラマを振り返ってみよう。
牧瀬里穂を起用したJR東海のCM「クリスマスエクスプレス」(1989年~1992年)では、BGMに使われた「クリスマスイブ」(歌=山下達郎)が流行。
同じく流行したドラマ「29歳のクリスマス」(1994年)では、「女の子(=山口智子)が幸せになるクリスマス」を主題歌の「恋人たちのクリスマス」(歌:マライア・キャリー)が歌い上げ、演出に一役買った。
どちらの曲も現在まで受け継がれ、クリスマスの定番BGMになっている。
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■冴えない私に聞かせるな!
「夢見る女の子」として流行を目の当たりにした現・特定年齢層の女性たち。
バブル好景気を背景にした「幸せ物語」のヒロインに自身の姿を重ね合わせながら、「いつかは私にも幸せが」と待ち続けたであろうことは想像に難くない。
とはいえ、その後の現実は誰もがハッピーエンドを迎えたわけではなかったし、運よく恋愛を成就させた人にとってもそこがゴールにはならなかった。
恋愛の成就は、結婚生活という名の現実への幕開けに過ぎなかったのだから。
なのになのに。12月になるとバブルな時代の「やけにハッピー」なクリスマスソングが、判で押したような能天気さで街という街を覆い包んでくれる。
そんな街を歩く牧瀬里穂でも山口智子でもない「普通」かつ「特定年齢層」の女性には、「サイレントナイト、ホーリーナイト」と歌う「聖しこの夜」の歌詞が「さ~えない、懲~りない」に聞こえるというお笑いネタを笑うに笑えない暮らしの現実がのしかかっている。
目にしたくない現実が、彼女らに「クリスマスソングへのいらつき」をもたらしているのかもしれない。
(文/しらべぇ編集部・上泉純)
【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2015年11月20日~2015年11月24日
対象:全国20代~60代の男女1,371名