コスプレイベント運営者に「男性の女装コス」問題を聞いてみた
12月2~4日に千葉・幕張メッセで日本初開催される、漫画や映画などを題材にした世界最大級のポップカルチャーイベント「東京コミックコンベンション2016」(東京コミコン)。
先日、東京コミコンのサイトで、コスプレ衣装に関して「男性による女装は禁止」と掲載されたことがツイッター上で話題になった。現在は、「女装禁止は解除する」と運営方針が変更されている。
コミケでは異性コスプレを解禁しており、コスプレに詳しくない人からみると、男性による女性コスプレはよく目にしているため、こうした状況を不思議に感じた人も多いだろう。
しらべぇ取材班は女性キャラのコスプレ活動を続けて21年目のベテランであり、イベントの運営も手がける男性・らいむ氏に話を聞いた。
■女性キャラコスプレをするきっかけは?
らいむ:私の場合、女性のキャラクターのコスプレをしている意識が強く、女性になりたいとの意識があまりないことをご了承ください。
その上で、コスプレとは自分のなれないものに成れる楽しさがあります。コスプレなら自分がだれであっても、成りたいものに成れるんです。
そんな私も最初コスプレを始めようとしたときは男性キャラクターをしようと考えていました。
ですが、女性キャラクターのコスプレをしている男性をイベントで見て、そういうやり方もアリか! と気づき、はじめました。
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■男性による女性キャラクターのコスプレへの風当たり
らいむ:1997年ごろからでしょうか。東京で一気に女装禁止イベントが増えました。今のネットの中傷はぬるいと感じるほど当時は無法地帯でした。
コスプレ名刺を渡したらスキャンされて晒されて、実名に対してBBSで叩かれたりチャットを荒らされたりと散々でした。
2013年に大阪府で催されたコスプレイベントが指導を受けて女装禁止の項目を削除したことをきっかけに解禁の流れが強まっているように感じます。
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■コスプレイベントを運営するのは、なぜ?
らいむ:女装禁止のイベントが多かったこともあり、私のコスプレ活動はイベントからロケに軸足を移していました。
結局、場は自分で作らねばならないと考えるようになり、福岡でイベント『コスプレピクニック』を立ち上げました。当初は女装を禁止しない屋外イベントが目的です。いまは目的を果たしていると感じています。
平均参加者は300名。全盛期は600名を超えていました。地元の人とのコミュニケーションを大事にして理解してもらうように努力し、問題が起きたら個別対応してルール化して連帯責任にならないように気をつけました。
運営のルールに関しては、私の設定したルールは特殊だと思います。ここ最近は、他が女装禁止にしているので、自分達のイベントも禁止にと、なにも考えずに、いまあるルールをコピペして使っている運営が増えつつあるように感じます。
きちんと意識的にルールの意義を理解して活用してほしいと願います。
一概にあれがダメ、これがダメとしてしまうのではなく、きちんと話し合って理解を高めていく必要があるのだろう。
今後、コスプレイベントはどうなっていくのか。よりよい動きがあることを願うばかりだ。
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