来年、ワシは息子をキューバに連れていく【AV監督・溜池ゴローの子育てコラム】

コラム

2016/12/14 21:00

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今年(2016年)9月、ワシは友人たちとキューバに行ってきた。

皆さんご存知のように、キューバは社会主義国である。社会主義国というと、閉ざされたイメージをどうしても持ってしまうが、最近、オバマ大統領がキューバを訪れたことによって、以前よりも海外から行きやすくなっている。

ワシらは、カナダのトロント空港を経由して、キューバの首都であるハバナに到着した。着いた時は、現地時間で夜中だったので、街の雰囲気が分かりづらかった。

しかし、朝になり、ハバナ市街に出てみると……そこはまさに、かつて観た映画「シティ オブ ゴッド」の風景そのものだった。

ちなみに、「シティ オブ ゴッド」は、昔のリオデジャネイロを舞台にした映画で、ボロボロでジャンクな街の風景の中、不良少年たちが殺し合うような、とても物騒な作品である。

ハバナ市街は、1950年代からの建物がそのまま修復されずに立ち並び、中には取り壊されかけてボロボロになったものも多く、通りには大勢の人だけでなく犬や猫などがたむろしている。

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壊れかけの建物を見上げると、窓からは洗濯物が干され、「おお、このボロボロな建物にも人が住んでいるのか!日本では考えられんぞ」と驚かされる。

歩くうちにゴミの臭いが漂う裏通りに入った瞬間……

「うわー、まるでシティ オブ ゴッドの世界じゃねえか!強盗とか出てくるかもしれん、やばい!!」

……と危険さを感じてしまったワシなのだが、周囲を見回すと、「シティ オブ ゴッド」のような街の見た目なのに、どこか妙に「柔らかい」雰囲気を感じてしまう。

「なんだ、この妙な安心感は?シティ オブ ゴッドとどこが違うのだ?」

と、思いよくよく観察すると……

通りにいる人々の顔や雰囲気が、なぜか「幸福感」に溢れているのだ。

みんな笑顔で、目があうと「オラ(やあ)」と挨拶しあう。中には、人懐っこく話しかけてくる人もいるし、道を聞けば誰でも笑顔で教えてくれる。

途中、美人の女性が「チャイナ?」と声かけてきたので「ハポン(日本)」と返すと、彼女はワシの横に並びずっと英語で話しかけ続けてきた。些細なことだが、日本ではこんなことはほとんどない。ワシも妙に嬉しい気分になってしまったものだ。

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ちなみに、キューバの国民平均月収は、2万5千円ほどだそうだ。日本の10分の1くらいだろうか。

しかし、教育費と医療費の国民負担は全くなし。国は、インフラ整備にお金をかけないが、国民には住む場所を提供している。

だからだろうか、日本人に比べれば、経済的には貧乏なのだが、「犯罪率」は日本とほぼ変わらないくらいで、治安はとても良い。

そして、経済的に裕福であるにもかかわらず年間約3万人の自殺者が出る日本と違い、キューバでは「自殺率」はメチャクチャ低いと言われている。

そうなのだ。

キューバは、貧乏でボロっちいにもかかわらず、人々からはやたらと「幸福感」を感じる国なのだ。

「この幸福感はなんなんだ!」

この瞬間、ワシは、このボロボロでジャンクな風景と、すごい幸福感の溢れたハバナの街に惚れ込んでしまったのだ。

キューバには、50年代のアメリカのクラッシクカーが未だにタクシーとして使われている。ワシらは、クラッシックカーに乗せられ、ハバナの旧市街の映画に出てくるような風景の中を走り回った。

排気ガスだらけの中、クラッシクカーの後部座席でワシはこう思った……

「この今のハバナの雰囲気をワシの息子にも味あわせたい!」

……と。

今、アメリカとの関係性の変化で、これからキューバはどんどん変わっていくと言われている。街は整備され、海外資本も入ってくる。もしかすると、犯罪率や自殺率も高くなる可能性もある。このボロいが幸福感のある雰囲気を味わえるのも「あと2年」という人も少なく無い。

ワシは、日本にいると絶対に味わえないこのキューバの感覚を息子がなるべく若いうちに知ってほしい。

なので、来年のゴールデンウイークにキューバツアーを友人と組んだ。

もちろん、ツアーではハバナだけでなく、メチャクチャ美しい海のあるリゾート地や、革命家のチェゲバラや作家のヘミングウエイ、マフィアのボスだったアルカポネなどにちなんだ場所にも行く。

実を言うと、息子と一緒に行った海外は、シンガポールしかない。息子をアメリカに短期留学やホームステイの為に行かせたことはあっても、家族で海外に行くのは、来年のキューバが2回目である。

ワシは、海外に限らず、息子を連れて旅に行くときは、「余暇」や「休息」の感覚があまりない。昔よく息子と行った「沖縄離島の旅」も「北海道でのスキー」も「大阪・京都・仙台などへの男二人旅」でもそうだ。

息子と行く旅はすべて、「息子の経験値を高くするため」だった。

これからも息子に必要な経験値を高くするためなら、お金も時間も使うし、節約も考えるつもりはない。

人生は「出会い」と「経験」で決まる。

現在ワシの息子は12歳である。これから彼の人生で「大きな栄養」となっていく「経験」や「出会い」があるなら、親はそれをプロデュースしてやるべきだとワシは考えいる。

今回は以上。

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(文/溜池ゴロー