オリンピックから考える! 「開幕の火蓋」とは一体なんなのか問題

話題になっている、あの日本語について考える! 俳優・黒田勇樹のコラムです。

2018/02/25 21:00

まもなく作演出舞台の幕が上がる、俳優/ハイパーメディアフリーター黒田勇樹です。

今までも遊びで何度かやったことはあったのですが、きちんとした俳優さんの出演で、お客様からも正規のチケット代をいただいて…となると緊張感や責任感からか、まったく違う景色が広がっています。

繊細に、大胆に作っておりますのでお時間ございましたら、ぜひ池袋まで遊びに来て下さい。

このコラムは、子供の頃から芸能の世界で台本や台詞に触れ続け、今なお脚本家やライターとして「言葉」と向かい合っている筆者の視点から、「言葉の成り立ち」について好き勝手に調べる、「妄想的」な語源しらべぇです。



 

■実況でよく耳にした、あの言葉

最近では、オリンピックの中継などでもよく耳にした「開幕の火蓋」。

劇場にいる時間の長い筆者からすると、幕は「上がる」か「開く」ものなのですが、「開幕の火蓋」になると「切って落とされる」という言い回しが一般的なイメージです。

一体、どういう由来で「開幕の火蓋」は切って落とされてしまうのか? そもそも火蓋ってなんなのか? 調べてみたのでご報告します。


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■その由来とは…

「火蓋」というのは火縄銃の部品のことで、火薬をつめる火皿という部品を覆う蓋のことなんですが、これを開けて着火することを「切る」と言うそう。

これが「切られる」と弾が発射されるため、転じて「始まりの合図」となり、運動会の「よーい! パーン!」のことを「火蓋を切る」と言うようになったんだとか。

ちなみにガスコンロの口火も、点火することを「切る」って言いますよね。


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■その言い方は誤用?

では「落とす」は、どこから来たのか? これは、「幕」のことだそうで、「火蓋」に使うのは誤用だそうです。

昔は幕を吊るしておいて、その吊り紐を「切って」幕を「落として」いたらしいです。

あ、そういえば、今でも歌舞伎とかでそういう演出見たことある! なので正確には「火蓋が切られ」て、「幕が切って落とされる」んですね。

「開幕」自体に「火蓋が切られる」「幕が切って落とされる」と同じ意味があるのに、「切る」が共通のため混ざってしまい「馬から落馬する」みたいな言い回しになってしまっているそうです。

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(文/ハイパーメディアフリーター・Sirabee編集部

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