広島原爆投下から75年 後遺症で姉を喪った心優しきゲバラ主義者・亀井静香が見た閃光

広島・長崎への原子爆弾投下から75年。広島県出身の亀井静香元衆院議員が語った原爆体験とは。

2020/08/06 11:40


 

■実の姉が二次被曝

そして、次のように語る。

「親戚も被曝しました。私の姉貴が爆撃地近くの高等女学校にいたんですね。自分も被爆したとは知らなかったのでしょう。援助のため多くの女学生と一緒に爆心地へ通い続け、第二次被曝に苦しみました。


姉貴を亡くしたのは後年です。姉のクラスメートは原爆訴訟を起こしました。出井知恵子さんは私と同じような体験を語っています」


後日知ったのだが、俳誌『茜』を主宰した俳人の出井知恵子さんは亀井氏の実姉で、86年に白血病で逝去した。亀井氏は姉2人、兄1人を持つ末っ子だ。生家には出井さんが詠んだ「白血球 測る晩夏の 渇きかな」という句碑がある。

「まあ、原爆だけじゃなくてさ、東京大空襲や戦地で命を落とされた人を思うと、『一人殺そうが十万人殺そうが同じ』という戦争は永久に放棄されなければならない……と戒められる。神様が命令して、殺し合いをやらせているんじゃないよ。人間同士が利害衝突する中で戦争は起きる」


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■減り続ける「戦争知る政治家」

亀井氏が詠んだ和歌に次のようなものがある。

「何故に 心を魅かるる 桜花 咲くを惜しまず 散るを惜しまず」

亀井氏は2017年に国会議員を引退するも、今も政界のご意見番として、時に安倍晋三首相と会ったりもしている。筆者も時折お目にかかり、亀井節を拝聴している。

しかし、返す返す残念なのは、亀井氏のような戦争を知る議員が国会にほとんどいなくなってしまったこと。絶滅危惧種とも言えよう。被爆者も多くがこの世を去り、高齢化が進んでいる。非戦の立場から亀井節がこれからも炸裂することを願ってやまない。

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(取材・文/France10・及川健二

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