14時間かかる秋田の映画館への無料送迎バスが話題 運転手を務める館長に直撃

秋田県大館市と東京を往復する無料送迎バスが大好評。そのわけとは…

2020/11/09 09:20

御成座
(写真提供:御成座)

県外から移住してきた夫婦が、2014年に見事復活させた秋田県大館市の映画館「御成座(おなりざ)」。この館長が運転する東京からの無料送迎バスが話題を呼んでいる。しらべぇ取材班は、館長にその想いを聞いた。



 

■当初は寝泊まりする宿の予定だった

旧御成座は洋画を専門に上映してきたが、2005年に市民に惜しまれつつ閉館。その映画館を2014年に復活させたのが、切替(きりかえ)義典氏夫婦だ。建設会社を経営し、千葉県市原市に住んでいたが、東日本大震災を機に東北地方での仕事が増加した。

そのため、社員数人が寝泊まりできる広い物件を探していたところ、閉館後そのまま残っていた旧御成座を見つけた。


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■地域住民のリクエストで映画館復活

最初は賃貸契約し住むことだけを考えていた義典氏だったが、地域の人たちからの「御成座復活」のリクエストもあったため、14年夏に映画館の営業を復活させた。映画館は木造2階建てで、1階には約200席収容のスクリーンがあり、2階が映写室と住居スペースだ。

この建物を買取るためと最新のドルビー設備を導入するにあたり、クラウドファンディングを活用。全国から1,000万円以上が集まり「御成座を守る会」も発足した。


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■無料送迎バス運行の背景

10月18日からは、「もののけ姫」と「千と千尋の神隠し」の上映が始まった。多くのジブリファンに来てもらえるように始めたのが、東京からの無料送迎バス。

館長の義典氏は現在も建設会社の役員を務め、千葉の現場で作業を行っている。週末は大館に帰るため、その帰路にバスを使おうと考えたのだ。

もともとは島根県雲南市で市民バスとして使われていたものを再利用したため、運賃箱等もそのまま残されている。東京から下道を中心に途中4回の休憩をはさみ、義典氏と従業員が運転を交代しながら約14時間かけて大館に向かう。

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