日本一難しいと話題のパーキング、その正体に驚き どう駐めれば良いんだ…

車を駐めようと駐車場に進入したら…。明らかに常軌を逸した事態が発生していたのである。

2022/06/03 04:45


 

■駐車場には秘められた「もう一つの顔」が

こちらはフランスの「R&Sie建築事務所」が2003年に制作した、その名も「アスファルト・スポット」というアート作品であることが判明。

アスファルト・スポット
(R&Sie建築事務所「アスファルト・スポット」photo Nakamura Osamu)

ツイートの写真にもあったように「実際に駐車できる」というのがユニークなポイントで、駐車場の下には「地下室」が設置されていることに気が付く。

アスファルト・スポット
(R&Sie建築事務所「アスファルト・スポット」photo ANZA ï)

作品の詳細については「作品は駐車場である。しかし、それは地形の一部で、既存の道の延長でもある。冬には白い洞窟となり、ときには四輪車のデモンストレーションのための訓練場となるかもしれない」という詩的な表現から始まり、「十日町市を少し拡大して信濃川とつなぎ、背景の山並みと対応した地形となった。雨の日にはプラスチック傘となり、夏の週末だけなら、新鮮な果物や刺身の露天市が開けるかもしれない。ゲームもできる。工業プラントのための黒い敷地に見える人もいるだろう。そしてもしかしたら、それは建築物とも言えるかもしれない」と続く、非常に哲学的なコメントが得られたのであった。


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■スケールが巨大すぎるアート

「アスファルト・スポット」を展示している「大地の芸術祭」は世界最大級の国際芸術祭であり、日本中で開催されている地域芸術祭のパイオニアとも呼ぶべき存在。

Tunnel-of-Light
(マ・ヤンソン-MADアーキテクツ「Tunnel-of-Light」photo Nakamura Osamu)

「人間は自然に内包される」「アートを道しるべに里山を巡る旅」「世代、地域、ジャンルを超えた協働」などのコンセプトに掲げ、アートによる地域づくりの先進事例として、国内外から注目を集めている。

Palimsest 空の池
(レアンドロ・エルリッヒ「Palimpsest:空の池」 photo Kioku Keizo)

一年を通して約200点もの作品を展示するだけでなく、シーズンごとに企画展やイベント、ツアーを開催しているのも魅力のひとつ。地域に内在する様々な価値をアートを媒介として掘り起こし、その魅力を高め、世界に発信し、地域再生の道筋を築くことを目標に活動しているのだ。

スケールの大きさもまさに「桁違い」で、東京23区の1.2倍もの規模を誇る里山全体を美術館に見立て、田んぼや林、古民家、廃校などにアートが点在しているというから驚きである。公共事業としてトイレや公園、トンネルなどをアート化することもあるのだとか。

鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館
(田島征三「鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館」photo Ishizuka Gentaro)

担当者は、こうした魅力的な作品の数々について「アーティストは土地の歴史や風景、食、技術、記憶などをモチーフに作品をつくり、アートは訪れた方々に向け、その背景にある地域の魅力を伝える装置となります」「『アスファルト・スポット』もそのひとつで、この作品は駐車場であり公園でもあります。同時に地形の一部でもあり、後ろにそびえる山並みと対応した地形になっています」と語っており、土地の風土やバックグラウンド、そして自然と調和したアートの美しさに改めて気付かされる。

たくさんの失われた窓のために
(内海昭子「たくさんの失われた窓のために」photo T. Kuratani)

アートと聞くと、やや敷居の高い高尚な存在に感じられる人もいるかもしれないが「今年は約200の常設作品に123点の新作を加えた作品を展開しております。ぜひ遊びにきてください」という気さくなメッセージも寄せられているので、気負うことなく五感で芸術を堪能してみてほしい。

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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ

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