結核の治療を拒み続けた女性が逮捕 保健所は「最後の選択肢だった」

裁判所命令を繰り返し無視? 病気を伏せて自由な生活を送っていた女性に保健所が苦渋の決断。

2023/03/12 14:30

咳・深呼吸・呼吸・マスク

裁判所から何度も入院して治療するように命じられていたにも関わらず、治療を拒否し続けていた結核の女性が、17回の法廷での審理の末に逮捕された。

『Mirror』『Seattle Times』などの海外メディアが報じている。



 

■裁判所から治療命令

ワシントン州タコマに住むこの女性は1年以上にわたって進行中の結核を患っており、保健所から自発的な治療を行うよう要請されていた。

裁判所はまたこの女性のために過去17回の審理を行っており、検査や治療、隔離を遵守する命令を繰り返し発行していたという。


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■人々を感染リスクに晒す

女性は裁判所命令を無視し続けていただけでなく、症状を放置したまま生活し、1月には他人の車に同乗して交通事故を起こしていたという。

また、胸の痛みを訴えて訪れた緊急外来では、医師に結核であることを隠し、病院のスタッフを感染のリスクに晒していた。さらに、彼女はCOVID−19の検査でも陽性反応を示し、保健所の関係者をますます怒らせていたそうだ。


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■致死率の高い感染症

結核は一度感染すると完全に取り除くのは容易ではなく、標準的な治療法では4種類の抗生物質を6ヶ月間服用し続ける必要がある。

また致死率の高い感染症の1つでもあり、世界保健機関の発表によると、2021年には160万人が結核により死亡しているという。


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■保健所も苦渋の決断

その後、裁判所命令を無視し続けた女性はついに逮捕され、他の人々から隔離されて結核の治療を受けることができたようだ。

誰かの自由を制限することと、人々の健康を守ること、2つを天秤にかけることを余儀なくされた保健当局者は「まさに最後の選択肢だった」と述べている。

なお、女性がなぜ頑なに治療を拒否し続けていたかについては明らかになっていない。

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(文/Sirabee 編集部・びやじま

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