駅前タクシー乗り場、世紀末すぎる標識に目を疑う… 関係者は「立派な犯罪」と怒り

千葉県・我孫子駅にて、変わり果てた姿の「タクシー乗り場」標識が発見され話題に。関係者は苦言を呈している。

2023/11/09 04:45

うっかり終電で寝過ごしてしまった経験は、誰しも一度はあるだろう。そうした際に向かう先といえば、タクシー乗り場かネットカフェと相場が決まっているが…。

現在X(旧・ツイッター)上では、千葉県某所にて目撃された「変わり果てたタクシー乗り場」が、人々に衝撃を与えているのだ。

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■この標識、あまりに世紀末すぎる…

今回注目したいのは、レコードとカセットテープを併せた音楽活動をしているDJ YEWさんの投稿したポスト。

ただ一言「すごい」とだけ記された投稿には、駅前に設置されたタクシー乗り場の標識の写真が添えられている。しかし何やらこの標識、マジックでの落書きが無数に描かれていたのだ。

タクシー乗り場

「タクシーのりば」の表記に大きなバツがつけられているだけでなく、空白部分には「深夜1:00からは来ません!!」「まってもむだ!!」「来ねえ」など、辛辣な内容の落書きが確認できた。


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■「刃牙の家じゃん」と話題

人気格闘漫画『バキ』シリーズの主人公・範馬刃牙(はんま・ばき)の家には、刃牙に手を出せない不良やヤンキー連中が刃牙の目を盗んで書き殴った罵詈雑言の落書きが多数存在し、ネット上ではしばしばパロディネタが投稿されている。

標識の様子を見て「刃牙の家」を連想したネットユーザーも少なくないようで、前出のポストには「すごい既視感ある」「刃牙の家じゃん」と言った声が多数寄せられていた。

また、落書きの内容に対しては「一体ここのタクシーに何が…」「深夜1時になったらタクシーが来ないのはよく分かった」などの声が上がっている。

タクシー乗り場

ポスト投稿主・DJ YEWさんに詳細を尋ねたところ、件の標識は5日21時半ごろ、千葉県・JR我孫子駅の南口ロータリーにて発見したものと判明。

DJ YEWさんは、発見時の様子について「仕事からの帰路で、駅前の牛丼店に入ろうと歩いていたら見かけました。普段から街中のグラフィティーを見るのが好きなので、標識の違和感と尋常ではないオーラにはすぐに気付けました」と振り返っている。なお、発見時はバスが稼働している時間帯のためかタクシー待ちの客は少なく、3台ほど周辺に待機していたとのこと。

続いては、多くのネットユーザーに衝撃を与えている千葉県、並びに我孫子市の「タクシー事情」について、関連組織に取材を敢行することに。その結果、様々な事実が明らかになったのだ。


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■「3つの組織」に話を聞いた

一般社団法人「千葉県タクシー協会」の担当者は、今回のケースは「イタズラ」などの説明で済ませるものでなく、立派な「器物損壊」であると、表情を歪ませる。

今回のポストが投稿される以前より、同協会でも件の落書きを認識していたようで、標識に書かれた「タクシーが来ない」という内容について「タクシーというのは、当日の稼働台数はもちろん、天気やその他利用者の状況などに、大きく左右されるものです」とコメント。

我孫子は都内へのアクセスが良好なことからベッドタウンとして発展しており、そうした背景を考慮しても「深夜にタクシーが一切来なくなる」という事態は考えづらいのではないだろうか。

そもそも、落書きを描いた人物がどのような状況の日に前出の不満を抱いたのか、その内容は本当に正しかったのかなど不確定な要素が多く、同協会としても「コメントしかねる」というのが正直なところだろう。

しかし、我孫子市(千葉県)のタクシー事情を誤解させるような内容については怒りを滲ませており、「お客様には安心してご利用頂きたいです」とも説明している。

なお、今回話題となった「標識」のインパクトが強すぎるせいで見落とされがちだが、隣接して設置された「支柱」にも落書きが描かれている点にお気づきだろうか。

タクシー乗り場

こちらの柱を管理する我孫子市・道路課に話を聞くと、同市では10月下旬ごろに落書きの存在を認知していたことが判明。我孫子市の担当者は「警察に被害届を提出し、警察の現地確認が済んでから落書きを消す、という流れを想定しています」と説明している。

警察の確認等が完了し、7日にはテープによる「目隠し」の応急処理が施されることに。その後は落書きの「消去」作業に移っていくようだ。

また「標識」を管理する「我孫子市内タクシー運営委員会」の事務局「今井タクシー」によると、落書きによる(標識の)被害は10月16日ごろに発見されたことが判明。その後は警察に「被害相談」を行なっており、前出の我孫子市に合わせ、被害届を提出する見込みだ。

タクシーの他にも、急いでいるときに限って電車やエレベーターが来なかったり、赤信号がなかなか変わらない…というストレスは、誰もが身に覚えがあるだろう。

だからといって、物や人に当たる免罪符を与えられるワケではない。今後、こうした犯罪行為がなくなることを願うばかりだ。

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