イジリー岡田イベント中止に「他人事じゃない」と震えた人々
11月8日に予定されていた、お笑いタレントのイジリー岡田(52)がメインで出席するはずのイベントが、「取材陣が集まらない」ことを理由に中止された、と日刊スポーツが報じた。
Y!トップページにも掲載されたこのニュースを見て、「他人事には思えない」「自分が担当者だったら…と、想像しただけで失神しそう」と、心底怯えた人たちがいる。
クライアントや広告代理店から仕事を依頼され、同じように報道陣を集めてイベントを取り仕切る、PR会社の担当者たちだ。
■中止に至るのはまれ
各メディアの編集者や記者・ライターは、プレスリリースと呼ばれるイベント案内が大量に送られ、商品発表会やプロモーションイベントへの参加を促されることも多い。
来場する取材陣の数も、イベントプロモーションの成功を計る指標のひとつのため、「貴社サイトのユーザー層が、ターゲットのサービスです」「人気芸人の○○さんが登壇します」など、個別にメールや電話をしてくるPR会社の担当者も少なくない。
時には、お世話になっている担当者から「どうしても人数が集まらないから、お願い!」と、“合コンのお誘い”みたいなセリフで頼まれて、イベントに顔を出す…なんてケースもある。
そうした努力によって、実際にイベントへ足を運ぶと「なんだ。結構、来てるじゃん」と思うことがほとんどで、関係者に聞いてみても「取材が集まらないから中止っていうのは、かなりレア」な出来事だという。
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■思い出したくないトラブル
取材陣がなかなか集まらない苦労以外にも、イベントは不測の事態が起きやすく、トラブルが発生しがちだ。
「ちょうど炎上しているタレントが、イベントに登壇することになっていたため、彼女のコメントを取りたいテレビや雑誌の記者が押し寄せました。イベントホールや会議室が会場であれば良かったのですが、公道に面した屋外のイベントスペースだったため、報道陣の整理で大混乱。
取材に人が集まったのは良かったものの、結局メディアでは商品には触れてもらえず、タレントさんに関する話しか紹介されなかったので、散々な結果でしたね」(中堅PR会社のイベント担当)
またタレントがキャスティングされている場合、盛り上げようとしたキャストが暴走してしまうこともあり、楽しげに進行している舞台の裏側では、「なんでそんなこと、言ってくれちゃってるの!?」となるケースもあるという。
「イベント会場の現場で、実際にタレントさんに商品を試してもらう発表会だったのですが、事前の打ち合わせを理解されていなかったようで、不適切…まではいかないけど、商品イメージにそぐわないトークを展開されました。
おしゃべり上手な方だったので、会場は盛り上がっているのですが、クライアント担当者の“ジェットコースター並みの速度で、盛り下がっていく”様子に、イヤな汗が出まくった記憶が…」(大手PR会社の営業担当)
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■タイミングの問題も
イベント実施のタイミングが、良かったり、悪かったりするパターンもある。
「キャスティングしていた方の、結婚や妊娠などのおめでたい発表のタイミングとイベントが重なった場合、好意的に取材したい報道陣が集まるので、ありがたいです。
逆にトラブルを起こしたばかりだと、取材規制もしないといけないため、相当負担がかかりますし、それを理由にイベント内容を変更したり、最悪は中止したりということも。
トラブルを起こす人を起用しないよう注意していますが、キャンペーンが終わった後に、トラブル発覚…というときは、本当はダメなんですけど、こっそり『セーフ』と思っちゃいますね(苦笑)」(大手PR会社のプランナー)
報道バラエティの番組で紹介されるような、華やかな発表会やイベント会場の裏側には、PR担当者たちの声にならない阿鼻叫喚が、満ちていることもあるのだ。
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(取材・文/しらべぇ編集部・くはたみほ)