ハリウッドが震撼する「流出画像」 掲載するのは違法?
ハリウッドも震撼。
繰り返し起きるネット上の画像流出騒動。以前から、「Winny」などファイル共有ソフトを使った一般人のパソコンが「暴露ウイルス」と呼ばれるプログラムに感染し、ひわいな写真などが拡散してしまうことが問題となっていた。
また2008年には、香港俳優のエディソン・チャンのパソコンを修理した業者が、人気女優セシリア・チャンなどとのベッドシーンを撮影したプライベート画像を流出させ、9人が逮捕される事件も起きている。
同じくセレブということで最近、全世界で話題となっているのが、アカデミー賞女優のジェニファー・ローレンスやアリアナ・グランデなど名だたる有名女優、五輪金メダリストの体操選手マッケイラ・マロニーらまで巻き込まれたセクシー画像流出騒動。
クラウド上に保存していた画像がハッキングされたのではないか、と言われている。
ジェニファーの代理人は、画像が本人であることを認めた上で、「流出した画像を掲載したら告訴する」と表明。
写真をツイートしたツイッターアカウントは次々と削除され、ニュージーランドでは、流出したヌード写真をうたう偽リンクをクリックしたユーザーのコンピュータが悪意のあるソフトウェアに感染し、全国規模のネット障害も発生している。
こうした「流出画像」を掲載することには、本当に違法性や訴えられるリスクがあるのか。弁護士の佐藤大和先生(東京弁護士会)に聞いてみた。
「結論から言うと、訴えられるリスクは高いと言えます。無断で写真を掲載する場合、『撮影した人』と『写っている人』、双方の観点から問題になります。
まず撮影した人には、その写真を自由に使用・処分等をすることができる著作権があり、流出画像を無断で掲載すると、この権利を侵害する可能性が高いといえます。
そして、写っている人には、勝手に写真を撮られたり、使用されたりしない権利である肖像権もしくはプライバシー権があり、無断掲載の場合には、これらを侵害する可能性が高い。
ちなみに、事実を正確に伝えることが目的である報道の場合は、一般人のツイートなどと異なり、流出画像を掲載する“必要性”については否定できません。
しかし、今回のように流出したのがヌード写真の場合、裸は明らかに『他人に知られたくない私生活上の事実』であるため、無断掲載は被写体のプライバシーを侵害する可能性が非常に高いといえます。
そして、侵害されている以上、民事では写真が掲載されているサイトや出版物などの差止めを請求されたり、損害賠償(慰謝料)を請求される可能性が高いですね。
また、刑事上のリスクとして、著作権法違反、場合によっては名誉棄損罪等の犯罪になる可能性があります。
さらに、写っている人が18歳未満だった場合は、性器の露出がない“ただの裸”だったとしても児童ポルノとして犯罪となります」
9月9日発売予定だった写真週刊誌「FLASH」が、「一部記事に不備があったため」という理由で発売中止になったことが発表されたが、ネット上ではその理由について、「これらの写真を掲載していたからではないか」と予想する声も多い。
真偽のほどは明らかではないが、やはり好奇心はほどほどにしておいたほうがよさそうだ。
(文/しらべぇ編集部・タカハシマコト)