ちょっと気になる地理ばなし「渋谷駅の地下鉄銀座線はなぜ3階にあるのか?」
お笑いコンビ「火災報知器」、地理地図芸人の小林です。みなさんは東京・渋谷駅に行った時に疑問に思ったことはないでしょうか。
地下鉄なのに3階にある銀座線のホームを。あれ? 思ったことないですか? 地下鉄なのに地下を走ってないのです。
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■なぜか地下鉄なのに上を目指す…
写真のように銀座線に乗る人は、地下ではなく上の階を目指しています。
「詐欺だ! 目黒駅が品川区にあるようなもんだ! 詐欺だ!」そう声を荒げないでください、その話はまた今度にいたしまして、いっけん平坦見える東京の街も、じつは山と谷があり凸凹しているのです。
そして渋谷という町の名前に何かピンとこないでしょうか? そうなんです、読んで字のごとく渋谷は「谷」になっているのです。
駅前は道玄坂や宮益坂など坂に囲まれている、まさに谷! なので周りの土地にくらべ標高が低いため渋谷駅になると、地上にひょっこりと顔を出すわけであります。
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■渋谷の川は、あの「清正の井戸」と同じ成分!?
(初めて自撮棒とやらで撮影してみた明治通りの脇を流れている渋谷川。東口からひょっこり顔をだす。このまま広尾~麻布十番~芝公園を通って東京湾へと流れ込む)
谷ということは川が流れています。そう! 渋谷には渋谷川という川が流れています。この川は「春の小川はさらさら行くよ~」でおなじみの「春のおがわ」のモデルとなった川が流れ込んでいた川なのです。
そしてその支流には宇田川という川もありました。渋谷の待ち合わせ場所にも使われる宇田川交番のあの宇田川はその昔、実際に交番の横を流れていたのです。
渋谷川は地上には現れず、地下を流れる暗渠という形で東急百貨店の下や渋谷の町を流れているのでした。それをたどっていけば、渋谷~原宿、そして明治神宮にある有名なパワースポット、「清正の井戸」へ!
清正の井戸からあふれる湧水が若者の町渋谷を清めてくれているのです。成分が一緒なら、清正の井戸じゃなくても渋谷川の写真を待ち受けにしたら運気も上がるかも!?
そんな渋谷川が作り出した谷の町渋谷だから、地下鉄銀座線は地下鉄なのに3階にホームがあるのです。どうです? 気になるあの人の気を惹けそうでしょ?
渋谷で遊んだ時にはこの話題をちらっと織り込めば「で?なに?どうしたの?」な顔されるかもしれないけど、東京の若者の町にもある地形の形跡、これから少し気にしながら楽しんでみよう!
(文/小林知之・火災報知器)