10代への選挙開放に警鐘 若者の「投票未経験率」の高さに驚き
単純に投票年齢を広げるだけでなく、投票率アップのための具体的な施策も、政府には期待したい。
去る2015年の6月、選挙法の一部が改正され、満18歳以上であれば投票できるようになった。この改正公職選挙法の適用は今年の夏の参議院選挙からであり、10代の投票率がどうなるのか、注目されている。
世界的には18歳での参政権が主流であり、国立国会図書館の調査によると、9割以上の国が該当する。国際基準に近づいたという意味では喜ぶべきことなのかもしれないが、一部では「10代に参政権与えたところで、投票するのか?」と言った疑問の声も。
画像をもっと見る
■20代は7人に1人が該当
しらべぇでは全国20代~60代の男女1348名に調査を行ったところ、「まだ一度も選挙の投票に行ったことがない」と答えたのは全体の7.6%
国の未来に関わる問題であるだけに、基本的には毎回欠かさず投票すべきだが、さすがに1回もその経験がない人は少ないようだ。
関連記事:【LGBT】「同性婚」は社会の敵なのか?世界を感動させた国会スピーチとは?
■やはり…20代の顕著な選挙離れ
年代別では、20代が14.8%と、平均の倍近い高さだ。最低でも4年に一回以上行われること、たった一度でも投票に行けば該当しないことを考えると、数値以上に危惧すべきものなのかもしれない。
関連記事:社会人必見!半数以上が「いい文房具を使う人は仕事できそう」と思っている
■ブラック企業に勤めていると投票も難しい?
また、投票未経験の人はブラック企業に勤めている可能性が他より高いことが判明した。たしかに、ブラック企業に勤めていると土日であっても出勤を強制されることもあるだけに、選挙にも行けなくなるのか…。
ブラック企業を少なくしていくためには、当事者である人々の声を政治に反映させることが不可欠だが、それまで難しくなってしまうのだろうか。
関連記事:「選挙カー」ってウザいけど意味あるの?【お前らの知らない選挙の実情】
■若者たちの生の声は…
しらべぇ取材班は、投票未経験の20代数人に実際に話を聞いてみた。
「選挙に対して前向きじゃないと言うより、無関心すぎて『気づけば終わってた』というのが正しいかな。今後もきっと行かないと思う」(20代・女性)
「政治に関心がないと言うよりも、今の国会議員には頼れないし、自民党の不戦勝でいいかなと思ってしまうから投票しないみたいな。今のうちに自力で稼げるようになって日本を脱出します。どうせ年金制度崩壊して自分たちには戻ってこないわけですしね」(20代・男性)
「選挙には行かなくちゃと思うけど、馬鹿だからか行き方がいまいちわからないんです。もし18歳に投票年齢引き下がったら、高校で模擬投票みたいな授業をしてもいいかなあと」(20代・女性)
「僕はもし10代の時に投票権があったとしたら、逆に投票していたと思う。今は社畜で、申し訳ないけど選挙に行く時間も、期日前投票する時間もなくて…」(20代・男性)
彼らは必ずしも政治に興味がないわけではなく、10代への投票拡大を支持する声もあった。
しかし、現実的に考えて20代以上に10代の投票率が低くなるのは予想されるところ。単純に投票年齢を広げるだけでなく、投票率アップのための具体的な施策も、政府には期待したい。
(取材・文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)
対象:全国20代~60代の男女1,340名