「読書好きは高年収」の事実を活字離れ高校生に伝えたら…
「出世するには、読書が大事」とはよく聞く話。しかし、出世すれば必然的に仕事が忙しくなり、ゆっくりと読書に浸れる時間も少なくなる。「本当はお偉いさんたちは、本なんて読んでいられないんじゃないの?」という疑問が浮かんでも不思議ではない。
それでは、出世と読書量、両者の間には、実際のところどんな関係があるだろうか。
●当然? 出世している人ほど読書量が多い!
まず注目すべきは、1か月の読書量「0~2冊」ランク。年収層が上がるにつれて、この割合は明らかに下がっていく。年収1000万円以上になると、4割に留まる減少ぶりだ。
反対に「10冊以上」本を読む愛読家は17.5%であり、他の収入層に比べて圧倒的多数である。やはり、偉くなり、高収入を得る人たちほど「読書が好き」と言えるようだ。
理由として考えられるのは、過去の偉人や大成功を遂げた経営者の自伝に触れることによるモチベーションのアップ。社内では出会えない人種たちの自伝に触れることで、向上心や出世欲が刺激され、野心が生まれる。
さらには、小説など非日常的な世界に触れることで強化される想像力。それにより、既存の枠にとらわれない、他人とは違った画期的な仕事を成し遂げられるようだ。
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●読書嫌いな若者の反応は?
活字離れが問題視されて久しい昨今。上記の調査結果を受け、若者たちはどのように感じるのか。「普段本をほとんど読まない」と語る数人に聞いてみた。
「本は読んだ方が良いと頭では分かっている。でも、なかなか読書が苦手で…」(男性・大学生2年生)
「最近は、月に1冊読むか読まないかというペース。忙しさを言い訳にしていたけど、もっと読みたいと思っている」(女性・社会人1年目)
「本を読むのは面倒。出世もしたいと思わないので、今のままでいい」(男性・高校1年生)
「先のことは分からないし、本を読む時間があれば友達と遊ぶ」(女性・高校2年生)
遊びたい盛りの高校生には、あまりピンとこないようだった。
おそらく、今この瞬間にお得(たとえば、異性にモテる)になることがなければ、本を読むモチベーションにはつながらないらしい。若者に読書を定着させるには、なにかもっと別方向の施策が必要なのかもしれない。
(取材・文/しらべぇ編集部・桜井洸希)
【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年2月20日~2016年2月24日
対象:全国20代~60代の男女1341名