『妙高山』の名を冠して熟練の職人が追い求める 気品あるしなやかさと雅な趣きのある酒

越後富士とも称される妙高山を酒銘にいだく妙高酒造。世界を見据えた地道な取り組みに迫る。

 

■広大な麹室が生み出す、良質の麹

妙高山

平田杜氏が入社した時代は、麹造りなど夜間の作業も多く、住み込みの蔵人も数多くいたという。麹は味の根幹。いい米を使っても、麹で失敗すればすべてが水の泡となる。

土作り・米作りにも哲学を持つ農家でもある杜氏にとって、麹はとにかく貴重な存在。麹造りは、きつくても一番肝心な工程である。 そこで検討を重ね、人が動きやすく処理しやすく、温度や空調管理機能も整った麹室に改良した。

実際に訪れて見てみるとその広々とした空間と高機能に驚く。その他、就業や作業も見直し設備を整え、少しでも負担のかからない体制へと移行させてきた様子がわかる。


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■自社培養活性酵母にこだわる

妙高山

妙高酒造の特徴の一つが、吟醸のみならず普通酒まで、2つの酵母を使用していること。何度も仕込みを行う中で見えてきた、酵母の特徴を最大限に活用するためだ。

メインとなるのは9号系酵母をルーツに持つ自社酵母。元気が良く成長力も旺盛で、発酵のスタートダッシュに適しているという。しかし、育て方を間違えるととんでもない方向へ行ってしまう危険があり、扱いが非常に難しい。

それに対して、もう一つの協会酵母は非常に品質が優れ、増殖もおだやかでスムーズに進む。そこで、それぞれ酵母が効果的に働くタイミングを見計らい投入する方法を編み出した。

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■ワインの製法にもある「混醸仕込み」

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