国民民主党・近藤和也青年局長に聞く 「少子化対策にもなる0歳投票権の検討も」

各政党で若い世代向け施策を担当する議員はどのような政策を考えているのか。インタビュー第二弾は国民民主党の近藤和也青年局長だ。

2020/02/02 19:40



 

■年金は賦課方式と積立の二本立てに

近藤氏が語る「お金がかからない若い世代への支援策」は魅力的に聞こえる。しかし、限られた社会保障予算を誰に使うべきなのか、という問題になると、世代間対立の議論も起きてくる。どのように解決すべきか、質問してみた。

近藤:国民民主党では、玉木雄一郎代表を中心に「こども国債」の政策を提案していますが、私はもっともっと出してもいいと思っています。


子供たちは、かけたお金以上に将来社会に還元してくれるわけですから、お金を借りてきてでも使うべきです。若い世代の所得税を軽減しようというアイデアも、具体的にどこまでできるのか検討しています。


一方で、社会保障については、厳しい現実から逃げないこと。いかに苦しいかを皆さんに提示することからスタートする必要があります。


年金制度ができたときの人口構成と前提条件が違うわけで、「なんとかできます」という甘い言葉では信頼を得られません。メディアも、社会保障の厳しい現実について伝えてこなかったのではないでしょうか。


数多い高齢者の生活を守りながら、現役世代も自身の将来に備えるためには、年金制度が現在採用している賦課方式と並行して積立方式を導入するしかない、というのが近藤議員の意見。

近藤:賦課方式であることを改善していかない限り、「自分が払った年金は他人に使われてしまって、自分はもらえない」という誰もが思っている不信感を払拭することはできないと思います。


そのためには、積立方式を走らせながら、賦課方式世代の方がいらっしゃらなくなるまで賦課方式は残すこと。今の40〜50代は賦課方式と積立方式の二重の負担を背負うしんどい世代になります。


しかし、65歳以上の個人金融資産は1000兆円、高齢者も将来の安心ができたらお金を使ってくれるはずです。1000兆円のうちの1%でも動けば10兆円、GDPでいえば2%。


これだけで、不景気から好景気になる。大きなお金に見えるかもしれませんが、10万円の貯金のうち、年間1000円ずつ使ってもらうだけで、現役世代も潤ってくる。


痛みや苦しみを示すことで、明るい将来が見えてくる。いつまでも、ダメだとわかっている過去の仕組みを引きずっていることが、若い世代の不信感につながっていると感じます。


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■農業・医療・環境にチャンスあり

もはやとどめようがないようにも見える少子高齢化とともに、地方の衰退も止まらない。こうした時代に、今からどのような対策を打てるのだろうか。

近藤:「衣食住」という人間の生きていくうえでの基本に活路があると思います。食でいえば、日本の食料自給率は37%。今の目標は4割台ですが、私は100%を目標にしてもいいと思う 最初からとてつもなく高そうな目標を掲げるのも大事なことです。


自給率を高めて食の安全保障につなげるとともに、日本の食を価値あるものとして世界に打ち出していく。


例えば、コメの自給率はほぼ100%ですが、中国など一部の地域では国内の何倍もの値段で買ってくれる。肥沃な土地、綺麗な水で丁寧に作られ、トレーサビリティもしっかりしているからです。


これまで農地は減る一方でしたが、儲かるならば、「田んぼや畑は工場」という考え方もできる。世界全体で見れば、人口はまだまだ増え続けており、食料危機も叫ばれている中で、間違いなく拡大していく市場です。儲かるものをつくるのが商売の基本です。


農業が儲かるようになるまでは国としてももっと手当をしていかなければいけない。これまでは、農業予算は「バラマキ」「選挙対策」と批判されてきましたが、これからはむしろ肯定的に予算をつけていく。「農業高校、農業大学に行くのが最先端なんだ」という空気をつくっていきたい。


増加する世界の人口に対して、農業投資をビジネスにするだけでなく、付随してさまざまな成長のチャンスがあると近藤氏。

近藤:食糧事情が良くなれば長生きする人が増えていきますが、その時には医療も大きなビジネスになる。現在この分野は、アメリカに強みがありますが。


もうひとつ大きなビジネスチャンスは、環境です。人口が増えて様々なものを生産して活動していくと地球は汚れていきます。これを軽減する必要性はさらに増していくでしょう。


CO2削減や環境権などは、これからどんどん伸びていく。日本にはさまざまな世界のニーズに応えていけるだけの企業や土壌、経験があります。

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(取材・文/しらべぇ編集部・タカハシマコト

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