国民民主党・近藤和也青年局長に聞く 「少子化対策にもなる0歳投票権の検討も」
各政党で若い世代向け施策を担当する議員はどのような政策を考えているのか。インタビュー第二弾は国民民主党の近藤和也青年局長だ。
■スピードより走り方を楽しむ時代に
若い世代に向けて、「経済や成長についての考え方を改めなければいけない」と語る近藤氏。
近藤:今は、国内だけで見れば下り坂であることは間違いありません。その現状を認識しないといけない。40代、50代になっても100メートル走るスピードをどんどん上げていこうというトレーニングは、辛い結果になります。
私もフルマラソンに何度も出ているのですが、ある程度の年齢にいけば、記録ではなく走り方を楽しむのもひとつの方法。自分たちの衰えをしっかり認識した上で記録も楽しんでいくことが必要なのではないでしょうか。
失われた30年は、高度経済成長期の夢を追いすぎて、増収増益当たり前という思考回路から抜け出すことができませんでした。その中で無理をした人は失敗して、「それ見たことか」と批判されるような状況が繰り返されてきた。
誰かが失敗する姿を見て、多くの人が「何もやらないほうがいいんじゃないか」「先が暗いんじゃないか」という思考回路に陥っているのは直していく必要があると思います。
しかし、成長の余地や新規ビジネスの芽はまだ大いにあるという見方だ。
近藤:一方、世界で見れば平均成長率は3〜4%、途上国であれば6%以上という国もある。増収増益の夢を追うのであれば、外へ出て行きましょう。まだまだ成長していくことができる。
また、国内でいえば「撤収すること」もビジネスになります。空き家を綺麗にしていくことやその土地を整地して新しいことに挑戦するビジネスチャンスもあるでしょう。必ずしも暗い一辺倒ではないことは伝えていきたい。
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■明治期以降は「人口バブル」だった
少子高齢化は日本社会が直面する大きな課題となっているが、「人口が適正化する中でも新しい仕事が生まれ得る」と語る近藤議員。
近藤:私の地元の能登でも、100軒の集落がこの10年で80軒くらいになったりしています。一方、介護の施設はまだまだ必要で、入りたくても入れない高齢者も数多い。介護職員の人手が足りないわけです。
人口でいえば、「そもそも明治期以降がバブルだった」という認識を持ったほうがいい。明治の最初の頃は3000万人台。こうした状況で、交番や郵便局、小学校を全国で拡げていったし、江戸時代までには全国にお寺がつくられた。
今も残っている郵便局やお寺は、必然的にその地域のコミュニティーの中心となっていきました。大切なことは全部が消滅するわけではなく、コミュニティーの中核を意識して維持しつつふくらみ過ぎたところがある程度適正化していく中で生きていきましょう、ということです。その中で新しいビジネスがある。
浪人時代に全部の集落を回りましたが、たとえば山が崩れる、道が塞がるというとき、古くからの道はあまり崩れておらず、新しく無理につくった道ほど、自然の力に押し戻されている傾向も見られました。
こうした先人の知恵を学んでいくことが、これからの100年、200年を地方で生きていくことにつながるのではないでしょうか。
東京一極集中は永続的に続くものではないと思います。ビルで囲まれた都会で人生の後半を過ごすよりは、空気が綺麗で景色も良く、食べ物も美味しい田舎で余生を過ごしたいという方もいるでしょう。
交通が便利になってきた分、セカンドハウスの暮らし方もやりやすくなっています。地方に大きなチャンスがあります。