一理ある『ワイドナショー』の松本人志 ネット言論の「ノンセンス」を再評価しよう

ネット世論に頭を悩ます松本人志。そんなネット世論と芸能界の対立をほぐすための「ネット社会と現実社会の思想」を考えます。

2020/02/11 09:00


 

■ウェブ社会元来の「ノンセンス」

ここでネット言論とはどんなものであるべきかを思い起こしたい。ここで文芸評論家の福嶋亮大が『神話が考える』という著書で主張する「ノンセンス」の思想を参考にしよう。

著者は野心的な現代思想家なので、その主張は現代社会の解釈そのものとなる。つまり、元来ネット言論というのは、「ノンセンス」に開かれた場。必ずしもウェブについて語っているわけではないが、「w」の表現にも触れているようにネット社会にも通じた話である。

元祖『2ちゃんねる』やその影響もある『ニコニコ動画』や『Twitter』の流れを思い起こせばわかるように、ウェブはそもそも「お堅い現実社会」からの逸脱場だった。


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■モラルの顔をした過剰カオス

「タピオカ」記事にもあるように、ネット言論には本気の道徳的熱狂もあるだろう。しかし、果たしてその主張は全国民のうちのどれくらいの意見なのか。真剣に主張している人はどれほどなのだろう。

ネット社会の秩序とカオス(混沌)。ウェブの影響もある現実社会の秩序とカオス。必要な「ノンセンス」(カオス)と歯止めのほしい「ノンセンス」。なんとかバランスをとりたいのが現代社会だが、モラル(道徳)の顔をした過剰カオスには気をつけてほしい。

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(文/メディア評論家・宮室 信洋

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