娘の小学校入学、持ち物リスト見た母に衝撃走る… 見覚えない「文房具」が話題に

愛娘の小学校入学に備え、準備をしていると…。見覚えのない「文房具」に多数の意見が寄せられていたのだ。

2022/03/15 04:00


 

■「地域」よりさらにローカルな区分が…

話題のツイート投稿主・すりごまさんは、関東地方出身の夫が赤青えんぴつについて知っていたため「地域差があるのかな?」と疑問に感じたことを振り返っている。

そこで「紙・文具 ひかり」の担当者に、こちらの事情について話を聞いたところ「学校によってご指定が異なるようですね」という回答が見られ、実店舗のロケーションによって赤青えんぴつの売れ方がガラッと変わることが判明した。

…と、ここまで聞くと「北と南、のようにエリア毎に文化が異なる」といった構図を連想する人が多いかと思うが、重要なのはエリアではなく小学校、さらにいうと「担任教師」であるという。

ひかり担当者は「青鉛筆を準備するかどうかは先生の判断に依るところが大きく、『青鉛筆も持ってきてくださいね』と指定を受けたご家庭では、赤青えんぴつをご購入されるケースが多いです」とも補足している。

なお、Sirabee編集部内にて知名度の調査を実施したところ、地域問わず「見覚えがある、使用したことがある」という意見がダントツで多かったが、中には「使用した記憶がなく、クーピーペンシルを使用していた」という体験談も見られたのが興味深い。


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■正確には「赤青」ではなかった?

続いては「赤青えんぴつ」の歴史についてトンボ鉛筆に尋ねてみると、18世紀後半には色鉛筆やクレヨン・コンテといった文具が発明されており、これらは今日の製法に近い方法で製造されていたことが判明。色鉛筆はその後、芸術目的のカラーペンシルや、アートカラー鉛筆としてさらに発展していくこととなる。

赤青えんぴつの発祥については残念ながら、正確な内容は不明なのだが、日本にやって来た時期についてトンボ担当者は「鉛筆を大量に欧州から輸入し始めた明治時代の開国の時期(1870年頃)と推定してよいと思われます」とコメント。

その名残りとして、国産の赤青えんぴつの青色は「Prussian Blue」、赤色は「Vermillion」と記載されており、日本ではこれらを「藍色」「朱色」と訳し、「朱藍(しゅあい)えんぴつ」として販売を始めたというのだ。

トンボ鉛筆

最後に赤青えんぴつを使用したのは「小学校低学年のころ」という人も少なくないと思うが、校閲や訂正などのチェック業務を基本としつつ、教育、新聞社・出版社・行政、(当時の)軍部、航空、設計・建設・建築など、様々なフィールドで活用されてきた赤青えんぴつは、デジタル化が進んだ現代でも一定の出荷量があることから、その利便性と信頼性が伺えるというもの。

なお、トンボでは2009年に「学習用2色えんぴつ」に新たな提案を投げかけ、「ippo! 丸つけ用赤青えんぴつ」および「ippo! 丸つけ用赤えんぴつ」という商品を展開している。

トンボ鉛筆

前述の通り、我々が「赤えんぴつの色」として認識している伝統的なカラーは「朱色」だが、トンボが新たに展開したこちらの色鉛筆の赤は明度をやや上げ、彩度をやや下げた「新色」で、本来の赤(Red)に近いもの。白色度の低い再生紙のノートや、プリントで強く発色するという特徴を持つ。

トンボ鉛筆

また従来の赤えんぴつは「丸軸」が主流だが、こちらの色鉛筆では「六角軸」を採用しており、こうした大胆なデザインチェンジは「くっきり見える赤えんぴつを持たせたい」「赤えんぴつは転がってしまうので厄介」といった保護者からの声を反映させた結果であり、じつに洗練された進化を辿っていることが感じられた。

トンボ担当者は「こちらの商品を機に、丸つけ用『赤青えんぴつ』という言葉が児童生徒の間で一般的になりました」とも語っている。


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■「2色えんぴつ」特有の悩みも解決

こうして近代技術の結晶ともいうべき、赤青えんぴつが誕生したワケだが…トンボの探究心はまだまだ衰えない。2009年発売となった前述の赤青えんぴつが多くの児童生徒に受け入れられ、愛用されていく中で、様々な要望が寄せられたというのだ。

その代表格が「青が残ってしまう」というもので、これには思わず納得。2色えんぴつや多色ボールペンにおける各色の使用頻度は決して均等でなく、「色の格差」とも呼ぶべき現象は、誰しも身に覚えがあるだろう。

トンボ鉛筆

そこでトンボは2020年に「ippo! 丸つけ用赤7青3えんぴつ」を新たに発売。その名の通り、1本の芯の配分を「赤7割、青3割」とした逸品で、担当者は「丸つけ学習で、バランスよく使い切れる比率となっております」と太鼓判を押す。

トンボ鉛筆

ペーパーレスの時代に逆行した存在ともいえる鉛筆だが、その裏では弛まぬ企業努力が存在し、時代と共に進化していることが明らかになった。いかにペーパーレスが進もうと、トンボはユーザーが真に必要としている色鉛筆を生み出してくれることだろう。

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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ

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