大仏は姿勢の違いによって意味が変わる? 「知っている」と回答したのはたったの9%
修学旅行で東大寺を訪れた際に説明を聞いた気がするのだが…。
国家の安寧と民の幸福を祈願して奈良の東大寺に建立されたのが日本最初の大仏とされているが、その姿勢によって意味があるという。
■大仏の姿勢ごとにこめられた意味とは
Sirabee編集部が全国の10代〜60代の男女800名を対象に実施した調査では、全体で9.0%の人が「大仏の姿勢ごとにこめられた意味を知っている」と回答した。
なお男女別に見ると、男性は9.4%、女性は8.6%という結果になっている。
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■東大寺の大仏を見た際に聞いた気もするが…
編集部が話しを聞いた30代の女性は「座っている大仏と立っている大仏があることは知っています。意味があると聞いたことがある気もしますが内容までは…」と述べた。
学生時代に修学旅行で行った奈良の東大寺でガイドさんが何やら解説してくれた気がするとしばらく頭を悩ませたが、思い出せない様子だった。
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■「坐像」は瞑想の修行中や説法中の姿
大仏の姿勢は、奈良・東大寺の大仏のような「坐像」、牛久大仏のような「立像」、福岡県篠栗町・南蔵院に見られるような「涅槃像(ねはんぞう)」の3種類に大別される。仏像にはほかにも、台座に腰掛けたような「倚像(いぞう)」や片足をおろして台座に座る「半跏像(はんかぞう)」などの姿勢があるが、ここでは先の大仏3種について詳細を見ていく。
「坐像」とは、一般的には、如来と菩薩といった釈迦を模した姿の仏像が座っている像のことで、瞑想の修行をしている姿や説法をしている姿が表現されているという。
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■「立像」は人々を救うために立ち上がった姿
「立像」とは、人々を苦しみから救うために立ち上がった姿だと言われている。すでに悟りを開いている如来像には坐像が多く、修行中の菩薩、釈迦に代わって煩悩を断ち切る役目を持つ明王などは立像が多いようだ。一説には、明王や、毘沙門天、帝釈天などの天部は、如来の使いとして人々を救う役割を持っているため、忙しくて座っている暇がないということから立像が多くなっているという。
最後に、「涅槃像」とは、釈迦が全ての教えを説き終えて入滅する姿だという。涅槃とは煩悩や執着が消え、心の迷いが無くなった状態のことで、死(入滅)を意味する。目を閉じた涅槃像は既に入滅した姿で、目が開いている涅槃像は最後の説法をしている姿をあらわしているようだ。
こうした違いを知って大仏を眺めてみると、その姿勢や表情から新たに感じるものがあるのではないだろうか。
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(取材・文/Sirabee 編集部・蒼羽 結)
対象:全国10代~60代男女800名 (有効回答数)