往復12時間! ビールのためだけに「岩手日帰りツアー」をする集団がヤバい
フレッシュな「生ホップ」を使った、貴重で美味しいビール!
提供:スプリングバレーブルワリー
東北地方の中部に位置する岩手県のなかでも、内陸に位置する奥州市は、ドラマ『真田丸』のロケ地にもなったことから最近話題の観光地として注目を浴びている。
胆沢温泉などの名湯があることから、ゆっくりと泊まりで旅行を楽しむ人に人気なのだが…なぜかこの場所に「ビールのためだけに」東京から日帰りドライブで向かう、謎の集団がいるらしい。
■どう見ても日帰りで行く場所ではない
奥州市は東京からだと東北自動車道を使っても常磐道を使っても、ぶっ続けで運転して6時間弱はかかる場所。
▼どう見ても車で日帰りするような場所ではない
な、なぜこんなクレイジーなツアーを決行するのだろうか!? その人たちに詳しく話を聞いてみると、とある重要な目的があるのだという。
■その目的とは…
ビールのためだけにと聞くと「単なる酒好きじゃねーか!」と思われそうだが、彼らの目的はビールを飲むのではない。
説明すると「とれたてのフレッシュな生ホップを使ったビールをつくる」ということ。そう、彼らはビールづくりに命をかける会社『スプリングバレーブルワリー(SVB)』の社員たちだったのである!
彼らがなぜここまで生のホップにこだわるのか? その秘密を探るべく、しらべぇ取材班は岩手弾丸ツアーを取材することにした。まずは同行した際に撮影した、動画をご覧いただきたい。
▼SVB社員の生ホップ収穫岩手弾丸ツアー動画はこちら
https://youtu.be/4bgODJS4ZJA
■生ホップと乾燥ホップの違いとは
動画を観ればある程度のことはお分かりいただけたかと思うが、ビールづくりに欠かせない大事な原料のひとつであるホップは、通常だと乾燥させて「ペレット」という粒の状態にする。
ペレットにしたホップはビールに「乾燥したハーブ」のような香りを付けるのに対し、生ホップはフレッシュでピュアな香りを付けることができる。
これだけ聞くと「生ホップのビールのほうが美味しそう!」と思うだろうが、生ホップを使ったビールを作るのはムチャクチャ大変なのだ。
なぜなら生のホップは「すぐに駄目になってしまう」から。
■朝6時に店舗へ集合
取材当日も朝の6時に代官山のSVB店舗に集合し、13時過ぎにホップ畑へ到着という弾丸すぎるスケジュール。
ちなみにツアーの日程が決まったのは決行前日。なぜなら直前になるまで、収穫のタイミングは分からないからだ…。
畑に着いたらさっそく長靴に履き替え、収穫の準備を始めるSVB社員たち。彼らは不死身なのだろうか…。
訪れた日は台風が過ぎた直後で、ホップへの被害が心配されたが…
トラクターと長い鎌を使ってワッサワッサと元気にホップを収穫する、農家のかたたちの姿が!
ホップ畑に入ると、一気に少年少女のような目つきになるSVB社員一同。ホップの香りを嗅いだだけで元気モリモリになるほど、強烈なビール好きのようだ。
収穫をしていたのは、2016年度の最優秀ホップ農家(※)に選ばれた菅野さん。彼いわく、今年のホップの出来は上々。
※
しかも2回の台風を乗り越えた、まさに「奇跡のホップ」と呼ばれるべき激レアなものなのだという。
「非常にいい出来のホップですね」と語るのは、SVBのビール醸造家・福井さん。
ホップを割ってみると、中心に黄色い粉末状のものがビッシリ! これは「ルプリン」という物質で、これがホップの香りや苦味のもとになるのだという。
こうして収穫されたホップはドドドドッとトラクターでホップ収穫センターへ運ばれていく。
収穫されたホップをカゴに入れる福井さんと、マーケティングマネージャーの吉野さん。ホップ農家の夫婦かと勘違いしてしまうぐらい息の合ったプレーである。
一心不乱にホップをカゴへ入れていく。
「宝じゃー! 宝の山じゃー!」
と言う、吉野さんの心の叫びが聞こえた(ような気がした)。
こうして一生懸命収穫したホップだが、450リットル(
日本の最優秀ホップ農家が栽培した最高の生ホップに惚れ込んだビール醸造家が仕込んだ、まさに「最高づくしのビール」どれだけ美味しいものができるのだろうか…!?
協力してくれた農家に感謝しつつ、収穫を終え笑顔で記念撮影。しかし、これからこの貴重すぎる生ホップを持って東京へ帰るという、ツラい旅が待っているのであった…。
このビールは『生ホップ超特急2016』と名付けられ、
一生懸命ホップを生産する農家と、「ビール馬鹿」
イベントでは、
きっとボジョレーの解禁イベントに勝るとも劣らない盛り上がりになりそうなこのイベント、いまから楽しみだ。彼らの情熱と美味しいビールを味わいに、10月はぜひ「
(文/Sirabee編集部)