Facebookで使われる「そういえば」は全然そういえばじゃない問題を分析!
2015/09/09 17:00
©iStock.com/dolgachov
脈絡のない話題を話し始める際や話しを切り替える際などに使われる言葉「そういえば」。
「そういえば、こないだ渋谷で偶然〇〇さんに会ったよ」
「そういえば、A社のBさんが連絡ほしいって言ってましたよ」
「そういえば、あいつが彼女に浮気バレた件ってどうなったの?」
日常会話での使用例はこのような具合だが、「そういえば」がFacebookの投稿に使われるとき、この言葉の役割は大きく変化するようだ。
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記者の友人知人の協力のもと、Facebookにアップされている「そういえば」で始まる投稿計41件を分析したところ、ある3つの傾向が見られた。
・「そういえば」投稿の後には、その人の仕事や私生活において明らかにプラスな内容が書き込まれる(41件のうち約90%)
・「そういえば」投稿は、「そういえば」を「ご報告です!」という言葉に置き換えたほうがしっくりくる
・「そういえば」投稿は、平日の20時以降に投稿される場合が多い(31件/41件)
これら傾向について、ひとつひとつ分析していこう。
■「そういえば」投稿の後には、その人の仕事や私生活において明らかにプラスな内容が書き込まれる
具体例は、以下のような具合だ。
「そういえば、こないだ取材された記事がアップされてました。ご一読を。」
「そういえば、今度このイベントに出ます。1000人規模のイベントは初めてだから、楽しみ!」
「そういえば、こないだニューオリンズに旅行いってきました!」(※写真を25枚投稿)
そもそも、日常会話と違い、Facebookの投稿は一呼吸どころか何呼吸もおいた後に書かれ作られるものなので、「そういえば」と思い出したかのように使われるのは不自然だ。
「そういえば」の後にプラスな内容が続くのは、「そういえば」という言葉が、自慢ともとられかねない内容のクッション的な役割を果たしているのではないだろうか?
「そういえば」と書くことによって、“自分自身はそんなにたいしたことだとは思ってないんだけどね”感が醸し出され、投稿の自慢的な性格が軽減するというわけである。
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■「そういえば」投稿は、「そういえば」を「ご報告です!」という言葉に置き換えたほうがしっくりくる
上記の例でいえば、上ふたつは特にそうである。
「ご報告です! こないだ取材された記事がアップされてました。ご一読を。」
「ご報告です! 今度このイベントに出ます。1000人規模のイベントは初めてだから、楽しみ!」
告知投稿で使われる「そういえば」は、基本的に「ご報告です!」と置き換えたほうが投稿全体のテンションとマッチするといえるだろう。「ご報告です!」といった文言にしないのも、“投稿の自慢的な性格の軽減”に関連していると分析できる。
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■「そういえば」投稿は、平日20時以降に投稿される場合が多い
つまりは、多くの人に読まれる可能性の高い時間帯、他の投稿によってタイムラインに埋もれにくい時間帯が狙われているものと思われる。
練りに練ったうえで夜に投稿されるので、前述の通り、「そういえば」となるのは不自然なのだ。
ここまで書けば、いや、既に多くの人が日々Facebookを使用するなかで気づいていたかもしれないが、Facebookにおける「そういえば」は、一言で表現すれば予め用意する“照れ隠し”といえるだろう。
これに、「そういえば、今度僕、『情熱大陸』に出るらしいです」などと“伝聞”の要素が加われば、奥ゆかしい日本人の完璧な“照れ隠し”が完成するというわけである。
(文/しらべぇ編集部)