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【弁護士コラム】「ブルーレットおくだけ」を芸人が使うと有罪?

コラム

商標法

TPPの流れを受け、音や動きなどの商標登録が認められることとなりました。そして、先月、特許庁は、「ブルーレットおくだけ」等、CMでおなじみのメロディー等43件の商標登録を認めたことを発表しました。

このニュースは、企業からはブランド展開の新たな道を拓くものとして歓迎されています。

しかし、一方では不安を感じている人も。それは芸人さんたちです。CMのフレーズを真似したり、替え歌にしたりといった芸が、商標法違反となるのではないか、もう使えないのか、と危惧しているようなのです。

この「商標法」について説明する前に、「CMの真似をしたことがある」人がどれくらいいるのか、アンケートサイト「マインドソナー」を使って調べてみましょう。

 

■みんな結構やってた!

CM音の商標

おっと、意外に多いですね! 最近、キャッチーなCMが多くなってきた影響でしょうか。半数近くの方が、真似をされた経験があるようですね。

 

■商標って何?

商標とは、自社の商品またはサービスを他社と区別するために使用するマークのことです。英語でいうと「トレードマーク」。ブランド戦略上、重要となります。

たとえば、ケンタッキーフライドチキンの「カーネルおじさん」は商標として登録されています。商標はこれまで、文字・図形等についてのみ認められていましたが、今回新たに、音等でも良いという法改正がなされました。

では、「音の商標」はどんなものかと言いますと、たとえば、「ファイトオオオオオオ!!! イッパアアアツ!!!」といったら、CMでおなじみなので、「他のどの栄養ドリンクでもなく、リポビタンDだよな」という形で差別化されます。

現に、大正製薬は「ファイト一発」を商標登録しました。

 

■パロディと商標

では、音の商標が以上のようなものだとして、芸人さんはどうなってしまうのでしょうか。

商標法が守ろうとしているのは、業務上の信用です。無関係の人が、「ファイト一発」とか言いながら粗悪品をさも「リポビタンD」であるかのように装って売ったら、大正製薬の企業努力が台無しなので、これを防ぐというものです。

芸人さんのパロディは別にそんな商売ではないのですが、ネタの披露で金銭を稼いでいる関係上、ネタの内容次第では違法になることもあるかもしれませんね。

たとえば、筋肉自慢芸人が、CMに起用されてるわけでもないのに「ファイト一発」をネタにしたら? 逆に、貧弱な芸人がギャップ感狙いでやったら?

最終的にはケースバイケースなので、なんとも言いにくいところではありますが、ブランド元の信用を下げるようなことがあれば、違法と判断される可能性も0ではありません。

 

■「知名度アップ」と天秤にかけられる?

現実問題として、芸人さんが物まねなどをすることによって、会社や商品の認知度が上がる効果もあるため、よほど悪質でない限りは、芸人さんが訴えられて、違法と判断される可能性はかなり低いと思っています。

しかし、この問題をきっかけに、芸人さんには、「このギャグが俺のトレードマーク」というものを編み出してほしいと思っています。

(文/弁護士・佐藤大和

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