広島カープが25年ぶりリーグ優勝 32年ぶりの日本一へ

悲願達成にむけ、まずはクライマックスシリーズに挑む。

2016/09/10 21:40

MAZDA zoom-zoomスタジアム広島

セリーグ首位で優勝マジックを1にしていた広島東洋カープが、10日、東京ドームで2位巨人との直接対決を6対4で制し、25年ぶり7回目のリーグ優勝を達成。

惜しくも地元広島で優勝を決めることはできなかったが、低迷期が長らく続いただけにファンの喜びはひとしおのようだ。



 

■充実した戦力でぶっちぎりの優勝

昨年の雪辱を期したカープは、開幕から戦力が充実。前田健太の抜けた穴が心配されたが、野村祐輔が13勝3敗と貯金10個を作る活躍で、あまりあるほど穴を埋めた。

さらに新外国人選手のジョンソンも二桁勝利を達成し、黒田も健在。先発投手が充実した上、ブルペン陣も抑えの中崎を筆頭にへーゲンズ、今村らスピードのある投手が揃い、リーグ防御率トップの強力投手陣が完成した。

野手陣も「神ってる男」鈴木誠也を筆頭に、菊池涼介や田中広輔、安部友裕など若手から中堅選手が活躍。そして大ベテランの新井貴浩が勝負強さをみせ、エルドレッドも高打率をマークした。

走攻守すべてにおいて隙のない、かつての「広島野球」が復活したのだ。


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■メークドラマから20年後の歓喜

今回の優勝をとくに感慨深く思っているのは、1996年のメークドラマを体験したカープファンだろう。当時野村謙二郎、緒方孝市、前田智徳、江藤智、金本知憲が揃った打線は「ビックレッドマシーン」といわれ、抜群の破壊力だった。

その打線が猛威をふるい、96年のシーズンは広島が6月終了時点で2位巨人に11ゲーム差。優勝は確実だったのだが…7月以降大失速。故障者も続出し、最終的に3位に終わり巨人のメークドラマを許してしまった。

その後江藤や金本がFAでチームをさり、長期にわたってBクラスに低迷。カープファンは「あのとき優勝していれば」と涙ながらに回顧することが多かった。

あれから20年、当時の主力だった野村謙二郎が基礎を作り、バトンをうけた緒方孝市が指揮をとって大輪の花を咲かせた。96年時悔しいを思いをしたファンは、ようやくあのときの呪縛から逃れられると考えているのではないだろうか。

当時の監督だった三村敏之氏は残念ながら亡くなっているが、きっとあの世で喜んでいることだろう。


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■日本一になれば1984年以来

今後は日本シリーズ出場にむけ、クライマックスシリーズを戦うことになる。今年の成績を考えれば勝ち抜く可能性が高いだろう。ちなみに広島は1991年と1986年にリーグ優勝しているが、いずれも当時最強を誇った西武ライオンズに敗戦。

とくに1986年は第1戦を引き分けたあと3連勝したが、第5戦で投手の工藤公康にサヨナラヒットを打たれたことで流れを失い、4連敗で敗れ去った。


日本一になったのは、山田久志や福本豊が在籍した阪急ブレーブスと戦った1984年のシリーズが最後。当時は古葉竹識氏が監督で、山本浩二、衣笠祥雄の打者2枚看板。投手陣では北別府学、大野豊らが主力だった。

シリーズは阪急の三冠王男ブーマーを封じ込んだ広島が長嶋清幸の活躍でフルセットの末阪急を破り日本一に。じつに32年前のこと。

かりに工藤監督率いるソフトバンクと広島の対戦となれば、1986年の仇討ちともいえる。悲願達成にむけ、まずはクライマックスシリーズに挑む。

(取材・文/しらべぇ編集部・佐藤 俊治

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