「EBウィルス感染症」患者らが告白 松来未祐さんが遺した「命のバトン」繋ぐ

テレビでの特集を受け、「EBウィルス」に苦しんでいる人々が、自らの病気と松来未祐さんへの感謝の気持ちを告白

2017/05/10 11:30

(画像はAmazonのスクリーンショット)

9日放送の『世界仰天ニュース』(日本テレビ系)にて、声優・松来未祐さん(享年38)の命を奪った「慢性活動性EBウィルス感染症(CAEBV)」について放送された。

人気番組で特集が組まれた背景には、「『CAEBV』を知ってもらい、1人での多くの命を救いたい」という松来さんの遺志と、「難病指定」を願ってご両親が病名公開に踏み切るという大きな決断があった。

松来さんが自らの死をもって遺したメッセージに、放送後からネットではさまざまな反響があった。



 

■「遅すぎた診断」人気声優の命奪った「EBウィルス感染症」

松来さんは、2013年頃から夜中にになると39度の高熱に苦しんだり、首のリンパ節が腫れ上がるなど体調不良を訴え始めた。東京都内の複数の病院を受診し、ガンの検査を受けるも結果は「異常なし」。

EBウィルスの疑いが分かったのは、発症から2年が経過した2015年6月頃。専門医の診察を3日後に控えた2015年6月30日、呼吸困難に陥り診察予約していた病院へ救急搬送され入院。

抗がん剤治療を経て同年9月に退院するも、その2週間後に容体が悪化、2015年10月27日に松来さんは38歳の若さでこの世を去った。

松来さんは闘病中、友人に「元気になったら手記を公開してCAEBVを知ってもらい、1人でも多くの命を救いたい」と語っていたという。

そんな松来さんの遺志や、診断が遅れたことに疑問をもったご両親が、EBウィルスの周知と難病指定を願って、松来さんの病名公開に踏み切った。

「慢性活動性EBウィルス感染症(CAEBV)」は日本人の成人の約9割が保有しているとみられるが、発症するケースは稀で、医師の間でもあまり知られていなかったという。


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■「松来さんのおかげで…」EBウィルス患者ら「命のバトン」繋ぐ

9日の放送を受け、ツイッターでは松来さんと同じくEBウィルスを患ったユーザーが自らの病を告白。

そして、自身の闘病生活や正式に診断されたことなどを報告し、松来さんやご両親への感謝の気持ちを綴っている。

ネット上で自らの病を公表することは、決して容易なことではない。

それでも彼等を動かしたのは、松来さんやご両親へのへの感謝の気持ちと、松来さんが自らの死をもって遺してくれた「命のバトン」を繋ぐためだ。


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■「骨髄バンク」への関心高まる

松来さんの闘病生活が特集される中で、「骨髄移植」の難しさが改めて浮き彫りとなった。

EBウィルスの完治には骨髄移植が必要で、「適合する骨髄が見つかれば救われる命がある」という事実を知り、「骨髄バンク」について調べる人が続出。中には、「ドナー登録」の意向を示す人も。

骨髄バンクへの登録には年齢や持病などの制限があり、誰でもドナーになれるわけではない。しかし、一人でも多くの命を救うため、ドナー登録を呼びかける声が相次いでいる他、献血を呼びかける声もみられる。

「慢性活動性EBウィルス感染症(CAEBV)」が難病に指定された場合、3万円ほどかかる自己負担の検査費用が軽減される他、医師の間で広く周知され、早期発見・治療に結びつく。

しかし、EBウィルスは「感染症」という扱いであるため、難病指定までの道のりは険しい。それでも、より多くの命を救うため、「慢性活動性EBウィルス感染症(CAEBV)」が難病に指定されることを願う。

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(文/しらべぇ編集部・もやこ

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