カレーフェスで沸く下北沢 1日分の野菜が摂取できる名店『SAMURAI』
ライブハウスに古着屋に演劇にゲームセンターにABCマート。下北沢にはさまざまな文化が存在するが、「カレー」もまたそのひとつだろう。
そんな下北沢で毎年10月に10日間にわたって開かれるのが『下北沢カレーフェスティバル』だ。
カレーマップを片手に、多くのカレー愛好家、愛飲家たちがスタンプラリーを行なう。
店先から漂うスパイスの香りに一度誘われれば、もう元の世界(カレーを外食で食べない世界)に戻ることは難しい。
さて、今年度は142店舗が参加するこの祭りにおいて、女性からとくに人気の高い一軒のお店を紹介しよう。
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■コンセプトは「1日分の野菜を食べる」
下北沢駅から5~6分ほど歩いたところにある『路地裏カリィ侍.下北沢店』。北海道発のスープカレーのお店で、道内に5店展開する人気チェーン店だ。
このお店のコンセプトは単純明快かつ、大胆。それは「1日分の野菜を食べる」というもの。
この街では今まで数多くのミュージシャン、演劇人たちがビッグマウスを放ってきたはずだが、カレー1杯で1日分の野菜というのも、なかなかのビッグマウス具合である。
トッピングは豊富。色んな野菜や魚介類の名前が書いてあり、虚弱体質の記者は見ているだけで健康になれそうである。
注文したのは「一日分の野菜20品目」(1250円)。辛さは普通だが、「子供並に辛いものが苦手」な人は、ココナッツをスープにトッピングするのがオススメ。
ちなみに記者はそれだけでなく、飲み物にラッシーを注文した。
なんと艶やかな野菜たちだろう。血色がいい。確実に記者より顔色が良い。
横から見るとこんな感じ。
カレー部分が見えないくらいに野菜が多いので、一瞬「野菜炒めを注文したか」と思ってしまいそうだ。
さて、実際にご飯をスープに浸して一口食べると……う、ウマすぎるやないか(笑)
辛さは普通のはずだが、それでも少しピリ辛。しかし、野菜のウマみ、甘さがたっぷり出ていて、辛さに打ち勝ってしまう。
野菜はスープ1杯に100グラム入っているという。これだけ山盛りなのに、スープにも大量の溶け込んでいるのだ。
そのため、スープカレーにしては、ドロっと粘度の高いスープという印象だ。
レンコン。瑞々しくも、良い意味で土臭さが残った味わい。これは実際に「土の味がする」とかそういうものではなく、無骨な味わいがあるという意味だ。
ごぼう。思わずにやっとしてしまうウマさである。丸ごと1本使っているので、写真の中に入れるのも一苦労だ。
トマト。頬張るや否や、果肉の甘みと心地よい温度が口の中いっぱいに広がる。
完熟とはまさにこのこと。こんな最期を迎えられたなら、トマトもさぞ幸せなことだろう。
オクラも素晴らしくウマい。青臭さは一切なく、ネバトロが口の中でまた違った刺激をくれる。
このカレーには肉は入っていなかったため、最初は「チキン入り(230円+)にしておいたほうが良かったかな?」と思ったのだが、その心配はお茄子が完全に払拭してくれた。
肉汁がジュワッと、こぼれるのではと不安になるくらい広がる。ちょっと待て肉汁よ、吾輩の口の準備がまだできていないぞ!
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■笑ってしまうくらいの美味しさ
本当に美味しいものを食べたとき、人はどんな反応をするのか?
人によって違いはあるだろうが、記者は過去に「(他の人と一緒に来ているのに)全員が無言になって黙々と食べる」「ウマすぎて思わずニヤリと笑ってしまう」というのを経験したことがある。
このお店の場合、取材班は前者であり、後者だった。それほど、野菜のひとつひとつが、スープの一口一口が味わい深いのだ。
そして、「ウマい」の言葉だけじゃ足りない、失礼な気になって、またすくってしまう。それを繰り返すうちに、すっかり完食している……
同行者も無言でニヤニヤ笑いながら食べていたので、周囲から見れば不審者チックに見えたかもしれないが、そんな箸の、いやスプーンの進み方もあるのである。
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■東京は3店舗 さらなる拡大を希望!
なおこのお店、8月に吉祥寺店を開業し、神楽坂店を含め、都内では3店舗になったそうだ。
味も「1日分の野菜を食べる」というコンセプトも、女性客はもちろん、ビタミン不足な現代人にはぴったりなので、さらに広がっていくのは間違いないだろう。
【路地裏カリィ侍.下北沢店 】
住所 東京都世田谷区北沢3-31-14
営業時間 ランチ 11:30~15:30 L.O 15:00/ディナー 17:30~22:30 L.O 22:00
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(取材・文/しらべぇ編集部・岡本拓)