特異な技術力と知見を活かす 酒類鑑定官の経歴を持つ『麒麟』蔵元が目指すものは

国税局鑑定官の経験も活かし、世界に通じる日本酒をつくる。

2017/12/27 22:00

麒麟

下越酒造の代表取締役社長佐藤俊一さんは、農学博士の肩書きを持つ。東京大学大学院農芸化学科博士課程修了後は、国税庁に入庁し研究員や酒類鑑定官を歴任した。 


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■いいものを造る覚悟

在任中は東京局、金沢局、醸造試験所、そして関東信越局と17年間にわたって、酒類製造業者の製造技術や品質管理技術の向上などを支援する立場にあった。

つまり、トップレベルの清酒造りを指導しながら、同時に各酒蔵で培われてきた酒造りのノウハウを目の当たりにしてきたとも言えるわけだ。

こうした経験は現在の酒造りにどんな影響を与えているか、との問いに佐藤さんは答える。

「当時、日本酒は国の重要な税収源でした。ですから、酒蔵指導においては腐造を防ぐことが至上命題。いいものを造らなくてはという意識は、その頃から私の中に刷り込まれていました」


1993年、鑑定官の職を退き、父・平八さんの跡を継ぐべく蔵に入った。ちなみに先代も国税局鑑定官の経歴を持つ。

全国の酒造場で酒造りの現場に接してきた人物が、親子二代にわたって経営トップの座にある酒蔵というのも珍しく、その特異な技術力と知見からは時代を読んだ商品が生み出されている。


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■人生の晴れの席で飲まれる酒を願って

下越酒造の創業は1880年(明治13年)。主要銘柄の「麒麟」は、鎌倉時代にこの地に築かれた麒麟城の名にあやかる。

吉兆時に出現すると言われる空想上の動物・麒麟。「吉」を願って人生の晴れの席で飲まれる酒でありたい、との願いが込められている。

蔵の正面にはその麒麟城跡を擁する麒麟山が見える。

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■かつては「会津藩領」の地
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